あの丘の向こうの憧憬を目指せ
目まぐるしく日々はうつろってく
視線の先と先を交差させていく
これは少年と少女のお話
泣き叫ぶ君の姿もさこの体じゃどうにもできないしさ
伸ばした腕の先も届かない
ツギハギだらけのカラッポだ　るんたった

あれは10年前の寒い寒い夜のこと
僕は怪物に食べられてしまいました
それ以来ずっとずっと希望の消えた
黒い世界の中で僕は暗闇の中カラッポなのに争奪戦させられて
気の触れた振りをしている　

不夜城歓楽街雑踏の中眠らない街
不快な寒気君の音消えた

「次の街へはいつ着くんだい」
少年は忙しなく尋ねた
「それは落し物に気づいてからですよ」
馬借は視線下ろし答えた
真っ赤な馬車に乗る鳥達は
真っ赤な空を見上げてる
みんな同じ同じ表情で
凍てつく翼羽休め

黄金の夜に一人目降りた曇天の朝に二人目降りた痛みの夜に四人目降りた
とうとう最後は一人になった
四度目の朝が来て忘却の街の時計の針は巻き戻り気づけば同じ
揺りかごの上

瓦礫の海の中孤独溺れた
少女の心の臓はもう止まりそう

沢山の手につかまれた
「私の目を返してください」
希望論だって遂に潰された凄惨な光景は今始まった
頼みの綱の王子様はいつまで経っても来やしない
アイマイジカンの中の悲鳴は
水溜りの中歪んで乱反射