Sento
空から落ちてきた氷 滑らかに
地平線の向こう側へ滑り出した
気付けば湯気が立ち込めた サウナの中
蒸気ひとつさえ上げずに 溶けていくんだ
子供の声は草原を優しく揺らして
虹色のアーチは今日もまた風に食べられてく
与えられた指の数かぞえ 微笑んでは落書きの上歩く
明日に向かって折れ曲がっていく人は 木陰の下 安らかに眠る
水浸しのまま見上げた 銭湯の中
嘘か本当かもわからない 狼煙の夢
熱い視線にたちまち顔は青ざめ
透き通るシーツの群体が光を乗せて運ぶ
与えられた指の数かぞえ 微笑んでは落書きの上歩く
明日に向かって萎んでいく人は 棺の中を湯船に見立てて
溺れそうな湿度に耳をそば立てた
曇ったメガネの山 額を覆うタオル
思いを馳せた 自分以外の何かへ
とても優しい恍惚が遥か遠くで手を降っているよ
与えられた指の数かぞえ 微笑んでは落書きの上歩く
明日に向かって叫ぶ 君の声 逆上せながら淡く消えてゆく
Written by YAA
00:00 / 02:51
Sento
「Sento」のオフボーカル版です。
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