『モミジガリ』

叶わない想いなら 紅く染め上げてよ

夕陽に照り映える 紅く燃ゆる戸隠
紅葉を愛で 酒を煽り 宴に舞う
光の隙間 貴方 凛々しきその出で立ち
心の臓を奪われた 錯覚に落ちる

離れたくないのと 初めての気持ち
傍にいられるはずもない相手なのに

遠慮する貴方を誘い 一献勧めたなら
貴方は少しはにかんだ顔して 隣に座る
笑顔を曇らせたくない だから気づかないで
私貴方が果たすべき哀しき鬼女だとは

陽が落ちて薄闇に 楽しい時間も終わり
貴方礼を口にし 私に背向ける
束の間の甘い夢 醒めなければと聞かせ
心の臓を潰された 錯覚に落ちる

離れたくないのと 複雑な気持ち
傍にいられるはずもない相手なのに

寄り添えないなら貴方のすべてが欲しいから
私は姿を鬼女に変え貴方に襲いかかる
瞳を怯ませたくない だから気づかないで
私貴方を喰らうべき愛しき鬼女だとは

求めるは恋ではなくて人間の五臓六腑
叶わぬ想いを抱くなら 紅く染め上げたいの
決意を鈍らせたくない だから気づかないで
貴方小烏丸を抜く 私が鬼女だから




ひらがなver
『もみじがり』

かなわないおもいなら あかくそめあげてよ

せきようにてりはえる あかくもゆるとがくし
もみじをめで さけをあおり うたげにまう
ひかりのすきま あなた りりしきそのいでたち
しんのぞうをうばわれた さっかくにおちる

はなれたくないのと はじめてのきもち
そばにいられるはずもないあいてなのに

えんりょするあなたをさそい いっこんすすめたなら
あなたはすこしはにかんだかおして となりにすわる
えがおをくもらせたくない だからきづかないで
わたしあなたがはたすべきかなしききじょだとは

ひがおちてうすやみに たのしいときもおわり
あなたれいをくちにし わたしにせむける
つかのまのあまいゆめ さめなければときかせ
しんのぞうをつぶされた さっかくにおちる

はなれたくないのと ふくざつなきもち
そばにいられるはずもないあいてなのに

よりそえないならあなたのすべてがほしいから
わたしはすがたをきじょにかえあなたにおそいかかる
ひとみをひるませたくない だからきづかないで
わたしあなたをくらうべきかなしききじょだとは

もとめるはこいではなくてひとのごぞうろっぷ
かなわぬおもいをいだくなら あかくそめあげたいの
けついをにぶらせたくない だからきづかないで
あなたこがらすまるをぬく わたしがきじょだから

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

モミジガリ

moguwanP様の歌詞募集曲への応募作です。
http://piapro.jp/t/CkHl


紅葉伝説を基に、勝手に鬼女の片想いを妄想してみました。

歌詞の内容としては、下記の通りです。
夕暮れの戸隠山、鬼女が人間に姿を変え、紅葉の下で宴を開いている。
そこへ鬼女退治へやって来た男が現れ、鬼女は男に一目惚れし、宴に誘う。
目の前に鬼女がいると気づかない男との楽しい時間が終わり、男は山を下りると言う。
鬼女は離れたくないと思うが、鬼女と人間とでは共に生きられないと葛藤する。
共に生きることが叶わないなら、男のすべてを自分のものにするため食べてしまおうと、鬼女は本来の姿に戻り男に襲いかかる。
人間を食べてしまいたい鬼女の欲求と、どうせなら好きな人に殺されたいという気持ちが入り混じる。
最後、鬼女に気づいた男は、小烏丸という名の刀を抜く。

刀を抜いた後の結末を想像して楽しんで頂けたらと思い、書きました。

閲覧数:186

投稿日:2017/10/14 18:46:30

文字数:1,047文字

カテゴリ:歌詞

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