boogieman

魔天楼の底から
見上げるだけの空
陽も消え去った
闇で他人の灯を羨んだ

寂しさで眩んだ目が
捩じ曲げた世界は
綺麗に見えたから
僕は汚れた嘘で見下した

吐き出せないモラルに縛られて
偽装隠した本性と牙
「あの人はいい人でした」

まだわからないんだ
殺せないんだ
纏わりつく劣情
昨日と何ひとつも変わらない
「もう最低さ」
渇いた街に救いなんてない
擦り減るだけの日常
どんなに足掻いても
染み付いた
影は消えてくれない

窓を叩く止まない雨
色褪せた世界線上で
腐ってゆく

誰も僕のことなんて
気にさえもしてないさ
乗車資格のない
最終バスを見送った

誇りだらけの街に愛なんて
何処にも無い此処で僕は
晒されたままさ

もう無視できない
逃げ切れない
こびり付いた感情
「特別だよ」
なんてまやかしを
見破れずに

躍らされても
踊りたかった
嗤い放たれた銃弾で
撃ち抜かれたとしたら
「自分だけ」なんてないって
気づいてしまえばいいさ
そしてまた
何か呑み込んだんだ