熟れた椿の紅を引いて
籠の少女(おとめ)よ いざ 咲き誇れ

月明かり 揺らめくは
籠の蝶 ひらり 魅きつけ
人の群れ 賑わすは 甘い言の葉

香の煙たさも 熱の煩さも
目を背けて求め
声の昇まりも 指の絡まりも
「ねえ 最後まで」

愛を囁く夜の帳
夜明けが来れば もう 然様なら
寂しいふりは 如何(いかが)かしら?
惑わせてみて 今 籠の蝶

髪飾り 煌めくは
籠の蝶 ふわり 振り向き
足の音 近づいて 嘘の始まり

愛の卑しさも 恋の拙さも
知らないまま 真似て
宵の冷たさも 言の果敢なさも
「あら お似合いね」

嘘を囁く夜の帳
夜明けが来れば もう 然様なら
乱れ髪梳き 裾整え
惑わされぬは まだ 籠の蝶

「貴方だけ」だと 嘘を重ね
人を惑わし また 然様なら
愛しいふりは 如何(いかが)かしら?
籠の少女(おとめ)よ いざ 乱れ咲け


【ひらがな表記】
うれたつばきの べにをひいて
かごのおとめよ いざ さきほこれ

つきあかり ゆらめくは
かごのちょう ひらり ひきつけ
ひとのむれ にぎわすは あまいことのは

こうのけむたさも ねつのうるささも
めをそむけてもとめ
こえのたかまりも ゆびのからまりも
「ねえ さいごまで」

あいをささやく よるのとばり
よあけがくれば もう さようなら
さみしいふりは いかがかしら?
まどわせてみて いま かごのちょう

かみかざり きらめくは
かごのちょう ふわり ふりむき
あしのおと ちかづいて うそのはじまり

あいのいやしさも こいのつたなさも
しらないまま まねて
よいのつめたさも ことのはかなさも
「あら おにあいね」

うそをささやく よるのとばり
よあけがくれば もう さようなら
みだれがみすき すそととのえ
まどわされぬは まだ かごのちょう

「あなただけ」だと うそをかさね
ひとをまどわし また さようなら
いとしいふりは いかがかしら?
かごのおとめよ いざ みだれざけ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

籠の少女

moguwanPさんの曲(http://piapro.jp/t/peah)の
歌詞募集に参加しました。

テーマ「愛を知らない少女(花魁)が愛の駆け引きをする歌」
サビの堂々とした格好良さと間奏の色めいた大人っぽさから、少し勝気な少女が男の人を手練手管で惑わす姿を妄想して作詞しました。
自分は熱を上げずに人を惑わして、「でもいつかは惑わされてみたい」と願う小悪魔っぽい女の子の姿・気持ちが詩から伝わると嬉しいです。
よろしくお願い致します。

閲覧数:171

投稿日:2017/09/02 16:08:51

文字数:837文字

カテゴリ:歌詞

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