scene#06

唐突に二三人の男がうろつく足元のカットがイン
なにか話し合っている。

男A「あんボケ。どこいきやがった。。。」
男B「・・・あ、うん。あ。あぁ?そっちにも見当たらんか?」(ケイタイで話している)
木下「おら。キリキリ動かんかい。。。。あんクソガキどこいきおった。。」
カメラ、木下に足下から上半身へパン 同時に木下のケイタイが鳴る。
木下「おう、わしや。。。。。。うん。うん。。。。そうか。。ポリは?。。。うん
うん、なんも知らん言うとけ。一瞬でわからんかった、と。シゲのことは言うんやないで。
あんクソガキゃだけは、わしらがヤるんや。わかったな。そっち頼むで」
木下、ケイタイを切って他の男達に向き直る。
木下「オジキ、やっぱあかんかった。」
男A「。。。あ。。。。」
木下「あんだけ面倒みてやったのに。。。ちっ。。」
男B「んでもシゲのヤツ、なんでオジキを?。。。」
男A「結構かわいがってもらっとたのに。。。」
木下「オジキ、かわいがってたんは、あいつのねえちゃんやったんや。。。」
男B「。。あ、ああ」
男A「あの、この間、自殺かなんかした女か?」
木下「おう。オジキも無体なことしよるから。。。」

飲み屋の裏手、ゴミ捨て場 ゴミ箱の影に隠れているシゲ。浮浪者が前にいて
路地の入り口からは見えない。浮浪者相変わらずのんびり酒を集めてる。

浮浪者「はあ、ねえちゃんをなあ、、、」
シゲ「・・・好きやってん。。。」
浮浪者「そらそやろ。。そんために殺しまで、、、」
シゲ「ちゃうんや。。。」
浮浪者「へ?」
シゲ「兵藤はん。わいが殺った人。。。わし頭わるいし、よう世の中の事わからんし、
ほんで、なんか、ああ、なんでや。。なんでこうなったんやろう。。」
浮浪者「ああ。」
シゲ「なんか、なおさら許せんかった。許せんかった。許せんかった。。。」
浮浪者「。。ねえちゃんはどないしてん?」
シゲ「まだ。。。まだ病院で意識無いままやった。」
浮浪者「おまえ、そんでどうする気や?」
シゲ「そんなん解ったら、ここにおらんわい!!」

怒鳴ると同時にガタンガタンっと大きな音を立てて立ち上がるシゲ。ごみ箱が散らばり、
浮浪者が「ひっ」っと声をあげる。
路地の入り口に数人の人影。

男A「おった! おったぞ!こっちや!・・・・兄貴呼べーー!」
男B路地に走り込み、
男B「逃げんなコラァ!シゲーーー!」

それに振り返りもせず逆方向に逃げ出すシゲ。地面を蹴るシゲのビーサンにズーム
路地の入り口から飛び出してくるシゲ。その先に、手にハイヒールをぶらぶらさせているルミ。
後ろを見ながら飛び出してきたシゲが、ルミに勢いよくぶつかる。

シゲ「うわ!!」
ルミ「キャ!」


ブラックアウト

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ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

TITLE 『逝く夏』  #06

脚本
scene#06

閲覧数:76

投稿日:2013/08/27 00:29:14

文字数:1,225文字

カテゴリ:その他

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