もうすぐ時計は十八時
手を止め目を閉じペンを置いた
そして書きかけの手紙
丸めて捨てた

あなたは隣でうたたねして
帰ろうと言うとまだだよって
そんなひたむきな背中に
きっと憧れていたんだ

ねえ教えて
ありがとうの伝え方を
此処にまたね　ひとつまたひとつ生まれ出る

名もない未来の姿　ほら見えなくても
きっときっと抱きしめて　微笑みを見せて

ちょっぴり手渡しは気恥ずかしい
切手を貼り付け宛て名書いた
スグに渡せるようにと
手の中に隠してる

ねえ教えて
ありがとうの告げ方を
やっとやっとあなたへの言葉　見つけたんだ

名もない未来の在り処　ほらあなたのくれた
夢が声が虹になる　その向こうなんだろう

たまにちょけたり
真剣な表情（かお）をしてる
一瞬の写真
他愛無く増える

名もない未来の姿　ほら見えなくても
きっときっと抱きしめて　微笑みを見せて

もうすぐ時計は二十二時
手を止め目を閉じペンを置いた
そして書き終えた手紙
宛て先だけを消した