101番目のエルヒ

1A
遙か昔にこの世を去った 世界一の歌姫
嘆く人々のために 私と皆は造られた

1B主
一人の姉と二十二人の妹 
水鏡は似姿
それでも歌姫はただ一人

1B対
同じ顔 同じ声 同じ歌
それでもあなたはただ一人

1S主
廻る廻る 不死の歌姫演じ
五線譜が織り上げる螺旋
プレアデスを数えて時を待つわ
シャーレの中で

「歌えば歌う程強く募る想いに
 終わらない戯曲を」

1S対
白い病室で横たわる 痩せ細った彼女の
その隣で瞳閉じる

「歌えば歌う程強く募る想いに
 終わらない戯曲を」

2A
舞台に立つことを許された 100番目の歌姫
美しいお姉様に 私は心底憧れた

2B主
だけどある冬 流行り病にかかって
その声を失くした
貴女は囁く掠れた声

2B対
お願いよ ひとつだけ 忘れずに
貴女は 歌って 時をこえ

2S主
廻る廻る 時が歌姫求め
呼ぶ101番目のエルヒ
ただ手を引かれるだけのカンツォーナ
それでもいいの

「造り物でも構わない 演じてみせる
 終わらない戯曲を」

2S対
彼女の死に一人立ち会う 青年が語りだす
約束の日 遠い願い

「造り物でも構わない 演じてみせる
  終わらない戯曲を」

C主
「離さない愛しい人 未来で逢えるよ
 その声が道標だから」

C対
「その声が道標だから」

ラストS主
廻る廻る 命 時代が時に
歌姫を忘れたとしても
砂漠の砂に埋もれた楽園の
消せない鼓動

夜を繋いで旋律が 一人見守る
最果ての始まり

「歌い続ける 貴方に
 いつか出逢える 貴方に」

ラストS対
始まりの記憶胸の底 されど地図は破れて
星座の音辿る航路

夜を繋いで旋律が 一人見守る
最果ての始まり

「響かせ続ける 貴方に
 捧ぐ歌 出逢える 貴方に」



{}は1音として数えています。
1A
はるかむかしにこのよをさった
せかいいちのうたひめ
なげくひとびとのために
わたしとみんなはつくられた

1B主
ひとりのあねと
に{じゅ}うににんのいもうと
みかがみはにすがた
それでもうたひめはただひとり

1B対
おなじかお おなじこえ おなじうた
それでも あなたは ただひとり

1S主
めぐるめぐる ふしのうたひめえんじ
ごせんふがおりあげるらせん
ぷれあですをかぞえてときをまつわ
{しゃ}ーれのなかで

「うたえばうたうほどつよく
 つのるおもいに おわらないぎ{きょ}くを」

1S対
しろい{びょ}うしつでよこたわる
やせほそったかの{じょ}の
そのとなりでひとみとじる

「うたえばうたうほどつよく
 つのるおもいに おわらないぎ{きょ}くを」

2A
ぶたいにたつことをゆるされた
{ひゃ}くばんめのうたひめ
うつくしいおねえさまに
わたしはしんそこあこがれた

2B主
だけどあるふゆ
はやりやまいにかかって
そのこえをなくした
あなたはささやくかすれたこえ

2B対
おねがいよ ひとつだけ わすれずに
あなたは うたって ときをこえ

2S主
めぐるめぐるときがうたひめもとめ
よぶ{ひゃ}くいちばんめのえるひ
ただてをひかれるだけのかん{つぉ}ーな
それでもいいの

「つくりものでもかまわない
 えんじてみせる おわらないぎ{きょ}くを」

2S対
かの{じょ}のしにひとりたちあう
せいねんがかたりだす
やくそくのひとおいねがい

「つくりものでもかまわない
 えんじてみせる おわらないぎ{きょ}くを」

C主
「はなさないいとしいひと
 みらいで あえるよ
 そのこえがみちしるべだから」

C対
「そのこえがみちしるべだから」

ラストS主
めぐるめぐる いのち じだいがときに
うたひめをわすれたとしても
さばくのすなにうもれたらくえんの
けせないこどう

よるをつないでせんりつが ひとりみまもる
さいはてのはじまり

「うたいつづける あなたに
 いつかであえる あなたに」

ラストS対
はじまりのきおくむねのそこ 
されどちずはやぶれて
せいざのおとたどるこうろ

よるをつないでせんりつが ひとりみまもる
さいはてのはじまり

「ひびかせつづける あなたに
 ささぐうた であえる あなたに」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

101番目のエルヒ

eta3372@ηカリーナ様のカッコいいゴシックhttp://piapro.jp/t/LIj_に歌詞をつけさせていただきました。
対旋律には物語がよく似合ふ。ということで物語調にしてみました。いろはが時をこえて大切な人とめぐり逢うお話です。
ちなみに
プレアデス=姉妹が星になったと言われるプレアデス星団
カンツォーナ=模倣楽曲
なんていう意味があったり。

あらすじはこちら↓
惜しまれながら世を去った歌姫エルヒ。
人々の悲しみのあまり生み出されたたくさんのクローンが、何世紀にもわたってエルヒを演じ続けている世界です。

姉である100番目のエルヒが病に倒れ、カプセルから起こされた101番目のエルヒ。
初めて舞台で歌う日、101番目のエルヒは姉からある昔話を聞かされます。
それはごくありふれた、結ばれなかった恋人たちの物語。
生まれ変わり、同じ歌を届け続ける、本当の理由。
エルヒだけが知っている、はじまりのエルヒのものがたり。

閲覧数:2,465

投稿日:2011/06/10 23:27:43

文字数:1,761文字

カテゴリ:歌詞

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  • こまち(koma)

    こまち(koma)

    使わせてもらいました

    千瑳さんはじめまして。
    歌い手をしておりますkomaと申します^^

    この度「101番目のエルヒ」を歌わせていただきましたのでご報告にまいりました!
    http://www.nicovideo.jp/watch/sm15722370

    詩の世界観がすごく素敵でした!
    ありがとうございました^^

    2011/09/27 22:40:09

  • KK

    KK

    使わせてもらいました

    はじめまして、ナイナイというものです。
    自分が管理するサイト(://theowt.the-ninja.jp/)のコンテンツである
    音楽系フラッシュゲーム『太鼓のオワタツジン2』に
    曲と併せて、歌詞を使用させていただきました。
    ありがとうございます。

    2011/09/27 16:22:04

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