A
かざした鍵に怯えていた
「羽が生えるのは嫌かい?」
呆けた面を映した窓
見える景色は本物だと
B
「さあ、清算だ」
鉄の軋む音が
刑務所を砂漠にした
S
錆びつく格子が焼印を
捺したときに気が付いた
進化を拒んだ化石たち
救いのない末路
叫んだところで切り捨てた
「とんだ甘い戯言」と
顔を覆って立ち呆け
無慈悲な運命<さだめ>だと
A
せめて抗うポーズだけでも
朽ちた輪ゴムの鉄砲を
構えた先の仮面たちは
見限るように欠けてゆく
B
ああ、交換か
払ったものは全て
窓を見た時間自体だ
S
劣化したのは色褪せた
ゴムと他にあるらしい
簡単なことも分からない
当たり前の退化
考えることを投げ捨てた
ヤツの果てをここで見た
広がる砂漠に襲われた
自分の姿だった
S
錆びつく格子が焼印を
捺したときはもう遅く
簡単なことも分からない
当たり前の退化
考えることを投げ捨てた
ヤツの果てをここで見た
広がる砂漠に襲われた
自分の姿だった
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