抜け殻の中で息を止めた
手首に繋がれた鈴の音
留めた形をまだ嘆いている
透明の箱に鍵はなくて
全てを忘れてもいいなら
貴女を選んで良い？と訊(き)くわ

ダイヤモンドとカサブランカの嘘
触れ合っていたい　いたいの

唇を撫でる指を食(は)んで
酷く胸を焦がす　白い夢に堕ちる


神様が余所見をしているうちに
苦くて甘やかな理想に
傾いた秤がまだここにある
単純に真似た選択肢の
全てを信じると言うなら
貴女は私を騙せないわ

ダイヤモンドとカサブランカの嘘
連れ去っていいの　いいのに

解かれて絡む髪にキスを
朝も夜も消して　私だけを壊して


虹彩に揺れる月の引力
酷く胸を焦がす　白い夢に堕ちていく





■かな・譜割り　
　　※【】＝音を足す所
　　　《》＝発音しなくていい所

ぬけがらのなかでいきをとめた
てくびにつながれたすずのね
とどめたかたちをまだなげいて《い》る
とうめいのはこにかぎはなくて
すべてをわすれてもいいなら
あなたをえらんでいいときくわ

ダイヤモンドとカサブランカのう【そ】
ふれあっていたい　いたいの

くちびるをなでるゆびをはんで
ひどくむねをこがす　しろいゆめにおちる


かみさまがよ(そみ)をして《い》るうちに
にがくてあまやかなりそうに
かた(むい)たはかりがまだここにある
たんじゅんにまねたせんたくしの
すべてをしんじるというなら
あなたはわたしをだませないわ

ダイヤモンドとカサブランカのう【そ】
つれさっていいの　いいのに

ほどかれてからむかみにキスを
あさもよるもけして　わたしだけをこわして


こうさいにゆれるつきの【い】んりょく
ひどくむねをこがす　しろいゆめにおちて《い》く