そう思って
ずっと原因を考え続けた。
←家で調べ物をするところは
あまり書きたくない最小限に
青の部屋はまだそのままになっている
こうしているとこの子がまだ生きているみたいって
思えてくるの。
僕の機器に勝手に触るなって
あの子散々前に怒ったことがあったから
だから私にはまだ、あの子はどこかにいて
自分の部屋を荒らされたくないんじゃないかって
思うの。
いけないことだって言うのはわかっているのだけどね
でも、そう思ってしまう・・・
僕はクジラの声の周波数を少し下げてみた。用はカラオケとかである
キーを下げるのと同じことだ。
最近の音楽編集用のソフトはこれぐらいなら簡単にできる。
下げた声をホエリンガルにかけてみると。そこからは
「さみしいな、一人だな」
「友達がほしい、友達がほしい」
「おおーい、おおおーい、誰かいませんかあ」
それからなんだかよくわからない、泣き声やノイズのようなものが
混ざっていた。
← うまく書ければ、文字のみから改造で音声、ゆっくりへとつなぐ。
お前、いったい何で
そういえば、学校の図書館で
クジラについて調べていたときに・・・
僕の脳裏をとある記事の内容がかすめた
あまりに大量の記事を読みすぎて
そのときは気にも留めていなかったけど
「寂しいクジラ」
学者たちの研究ではこのクジラの声は
ほかのクジラよりも若干高い
仲間たちが一定の周波数内の声で話すのに対し
彼の声は高すぎて
彼の声は誰にも届かない
今日も一人海の中をさまよい
誰にも届かないまま
記事によると日本の大学教授が
どこかの浜に打ち上げられている
彼の死骸を見つけたらしい。
青と黒の混ざった特徴的な外見と
傷の位置からほぼ間違いないとのこと
そしてその骨は標本として
教授の母校である高校付属の
博物館へと寄贈されることになった。
あれ、この学校って。それは間違いなく僕らの高校だった。
そしてこの教授が集めたクジラの音源を使って
僕はホエリンガルを完成させている。
世の中は狭いもんだなあ・・・
僕はそう思った。
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