飛ばないペンギン

飛ばないペンギン

カミサマカミサマ、
今日もまた目が合っちゃった。君と。
幸福感に浸る。
イメージは悲壮で悲惨で非才で卑猥な、妄想さ。
荒んでいじけて、燃やして煤けて、
裏切り騙され、沈みたい。信じたい。本気じゃないよ、ね？

何度君がこの地に来ても、
バイバイ、僕は飛ばないペンギン。
冬の寒さも、晴れのち雪でも、
大丈夫。任せてよ、ペンギンだから。

カミサマカミサマ、
昨日より可愛いね、とても。
劣等感に笑う。
隠せない不毛で不憫な肖像画。

何も君に伝えることが出来ない。
僕は飛べないペンギン。
「海を越えて、その先へ行きたくても、僕には翼がない」
言い訳ペンギン。

カミサマカミサマ、
今日はちょっと頑張ったよ。褒めて。
駄目なのは知っている。
僕の自由。行くも帰るも、立ち止まるも。

夏の影に背中を押されて、
放課後、教室にて。君とペンギン。
宙に浮かんで、鼓動が響いた。
夕暮れ。慕情に君が微笑む。
何も君に伝えることが出来ない。
僕は飛べないペンギン。
「海を越えて、その先へ行きたくても、僕には翼がない」
弱虫ペンギン。