漂う煙管の紫煙
卑猥な甘い香の香り
派手な部屋の中に地味な
わっちは番頭新造手前
格子から見上げる夜空
曇天の灰の流れる雲
あれはどこへ流れゆくのか
故郷へと着くだろうか
道を行き交ってく
男達は品定め
わっちのことなんざ
ちろりと見て視線を外す
けちなこと けちなこと
してくれりゃいいのに わっちは
腹を決めているというのに
今日も部屋の隅で待ちぼうけ
◇
学も身につけて
くるわことば遣い
八文字練習して
はじめ花魁目指してた
それでも今現実は
格子の中手をこまねいて
男をただ待つばかり
今日も部屋の隅 待ちぼうけ
けちなこと けちなこと
してくれていいのに わっちは
上にも下にも行けず
吉原の隅で 待ちぼうけ
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