絞り出した言葉は泡に溶けて
誰の目にも触れることなく沈む

やがて傷は痛みを忘れ癒える
君の目にはどんな私が映るの？

逃げたくなるような 冷たい部屋にまだ
留まるのはどこか 迎えを期待しているから

色を変えて 形を変えて それでも私にかえって
待つことに飽きてしまう前に ここから連れ出してよ

指に絡む 鎖は錆びて それでも私にかえって
ひび割れたグラス注ぐ愛は 流れて彷徨うの

不意に零す涙は空に昇る
別れすらも感じさせずに独り

隙間埋める玩具も見つけられず
強請る(ねだる)だけの弱く惨めな私

誰も居ない舞台 爪先伸ばすのは
物語のような 迎えを期待しているから

過ぎる時間 苛立つ心 それでも私にかえって
待つだけの酷な役目なんて 私に似合わないわ

抱く希望 崩れる未来 それでも私にかえって
音の無い奇劇なんて誰も 見ないで立ち去るの

歌う蜃気楼 踊る走馬灯
揺れた陽炎の先　佇む成れの果て

色を変えて 形を変えて それでも私にかえって
待つことに飽きてしまう前に ここから連れ出してよ

指に絡む 鎖は錆びて それでも私にかえって
ひび割れたグラス注ぐ愛は 流れて彷徨うの