狛犬の双音

Lyric:5

「いろはにほへと ちりぬる朝が降れば、鈴をしゃんと鳴らしませ」
此方極東、辺鄙な山奥から旅立つ定めなのです
褪せぬ丹色を幾重も潜り抜ける 朔月の夜は深く
神代七代の続きを祈い 眺む
睡蓮が揺れる

「どうして」
理由を求めても 解らない事ばかり
君は朧 宵に霞んでは消えていった
明けの星を合図に 僕等 待った無しの一歩目を踏み出した
繋いだ手を離さぬように、ね

わだつみの聲 潮騒の奏で
せせらいでゆけ ざわめく彼方まで
努々忘れるな 沙羅双樹の夢の跡
桃源郷へ、此の途の先へ
いつか きっと辿り着くように
誰より凛と立っていたい 其の為の僕等なんだ
君を探している 狛犬の双音


いろはにほへと ちりぬる嘘の言葉 薊のようだと泣いた
切れた約束は行方知れずの儘に 伽藍洞の喪失感
咲いてはらはら 唐傘ひとつ差して 廻る影絵の景色と
白磁の踵 なだらかに徒歩渡る
睡蓮が揺れる

「どうして」
理由を求めても 静寂が冴えるばかり
草臥れても 新たなる朝を唯希っていた
帳の落ちた世界 振るい 待った無しで空を薙いだ一閃から
どうか光射しますように、ね

幾星霜と見護った日々が 忘却の末 塵芥となって
「寂しくなんかない」 強がっても双りきり
悄然として佇む隘路に 繰り返される無情な迂回
さ迷い込んだ無限回廊 漫ろな足音踏み鳴らし
君を追いかける 狛犬の双音


あゝ 紡ぐ千年と 噤む光年を 合縁奇縁の随に
あゝ 絲を綯うひと 愛しいひと
そうやって何遍だって 巡り逢おう

揺らめいた紅蓮 小灯数えて
零れそうな満天の星空
「寂しくなんかない」 強がる事 忘れていく
幽玄と舞え 薄紅を散らせ
懊悩の果て 言祝ぐ春となれ
誰より凛と歌っていたい 其の為の僕等なんだ
君と共に往く 狛犬の双音

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

狛犬の双音

夏の終わりにどうぞ。

動画はこちら→http://www.nicovideo.jp/watch/sm24305191

「トランジスタの道化団」収録曲
http://www.mosaictune.com/heartsnative3/

■Music:MOSAIC.TUNE(MOSAIC.WAV)
 Mylist:(mylist/39343953)+Twitter:@mosaicwav

■Music:鶴田加茂(ika)
 Mylist:(mylist/1450136)

■Lyric:5
 Mylist:(mylist/11731536)+Twitter:@itsu_5

閲覧数:2,456

投稿日:2014/08/23 22:04:21

文字数:767文字

カテゴリ:歌詞

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