描いた景色 君は知らない
他の誰よりも 憶えているはずなのに
淡く白んだ そのページの中で
君は髪を揺らして ただ笑った

どこかに溶けて消えていく視線を
探そうとする
何も知らないはずなのに
目には見えない言葉に触れたとき
君の景色は崩れていく

「もう消え去らないで」
そう叫ぶ僕を 悲しそうに見つめ
霞んでいく
「私の方へ伸ばした手で顔を隠して
眠ったまま 何も見ないで
目が覚めたらきっと思い出してしまうから」


洩れた光がこぼれないように
覆った手の隙間で揺らいだ君は
時間を止めたまま遠のいていく
翻る白いスカートと
僕の声だけを残して

「もう消し去らないで」
そう足掻く僕は 徒に流され
沈んでいく
「私にくれたその想いを口にしまって
黙ったまま もう言わないで
また会えたらそっと目を覚ましてあげるから」


落ちた光と言葉の上
何も知らないかのように
眠った僕の目から流れる涙
それを撫でながら色褪せていく
何も知らない君のまま
色のない景色の中で

「もう見つけないでね」
そう漏らし君は 少しだけ笑って
薄れていく
「私に見せたその景色は夢にしておいて
知らないまま そのままでいて」


ねえ 覆った手を広げてみて
目を開けたら忘れてしまえるよ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Moenie

閲覧数:96

投稿日:2017/05/03 15:29:17

文字数:536文字

カテゴリ:歌詞

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