悪ノ作品が大好き。クライムワン組はもっと好き。
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◇◇◇ -Who killed them?
この墓には誰も埋まっていない。
それでも、人はこの墓に花を供える。
ルシフェニア共和国、首都ルシフェニアン郊外の墓地。
集団墓地の端にある小高い丘の上へ、私は花束を抱えて登っていく。
樹で囲まれた丘の上にはルシフェニア王国最後の王女、リリアンヌ=ルシフェン...墓守の修道女
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◇◇◇
これは夢だ。
早々に彼がそう確信した理由は他でもない。宮殿の廊下に、本来ならばいるはずもないものがいたからだ。
加えて、窓ガラスも割れているというのに他の侍従達が騒ぎ立てている様子は無い。
目の前の事柄全てがあまりにも不自然だ。夢なのだろう。今、彼の前にいるこの「熊」は。
地を這うような低い...イレギュラーはアカシックレコードの夢を見るか?
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好奇心は猫をも殺すなんてよく言うが、幼い頃の私の好奇心は、猫の死体に打ち壊された。
なんのことはない、町外れに人だかりが出来ていたから近付いただけだ。
私と同じくらいの年頃の女の子や男の子が輪になって何かを見ており、私も気になって覗き込んだ。
そこには──猫の死体があった。
大きな鳥に襲われたのだろ...ネコの屍
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◇◇◇
年をとった。
肖像画を描けなくなったのはいつからだろうか。
──否。描けなくなっていた、と気付いたのはいつだったか、と考えるのが正しいかもしれない。
若い頃は絵を沢山描いていたし、画家を目指していたこともあった。
しかし、母と画家ニコライ=トールによりその夢を絶たれてからは絵筆を持つことも無...とある画家の肖像
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時計塔の針の音が響いている。規則正しく鼓膜を穿つそれは、まるで心臓の鼓動のようだ。
マーロン王国ブラッドプール地方北部、キャッスル・オブ・ヘッジホッグ。その中心にある巨大な時計塔の針音は、その風体にふさわしい程大きく、城をぐるりと囲うように建てられた城壁の上にまで届いている。
針の音に合わせるように...逆さの塔に名を刻む
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[紫/死]を呑む狂宴
[赤/堰]を切れ 晩餐へ挑め
[黄/王]を頂く双頭の城
[白/拍]手で下ろす”偽”曲の幕
[桃/陶]酔する愛憎の炎
[青/生]を切り捨てる裁判
膂[緑/力]で招く終末
黄色の終曲は
緑色の子守唄となり
黄金の間奏曲を経て...Evils xxx.