罪 - おぞましい二人 -
作詞:Nova
作曲:uaja
編曲:Nova
歌声:初音ミク
・曲作りの経緯
のば、エドワード・ゴーリーの「おぞましい二人」を読み、強く印象に残る。
uajaさんがデモ曲「のばもどき涙(謎)」を投稿。
のば、「なんじゃコリャ(゜~゜)?」と聴く。
のば、いたく気に入ったデモ曲をダウンロードして幾度か聴いているうちに、E・ゴーリーの「おぞましい二人」のイメージが重なる。
……とまぁ、そんなこんなで詞を書いて、曲を組み立ててみました。
「おぞましい二人」は、実際の殺人事件をモチーフにした絵本です。殺人の直接的かつ扇情的な描写はなく、実行犯である男女二人の生い立ちから事件に至り、裁判を経て精神病棟に収監されていく様が、とても淡々と描かれており、それが寒々とした無情、たまらない寂寥を感じさせてくれます。
uajaさんのデモを聴いているうちに、前後半の切ないメロディからは絵本の物語、中間部の唸るギター・パートからは、絵本には描かれていない殺人のシーンがイメージされました。そこで主人公のひとり、モナという女性の視点で、詞を書いてみました。
ギター・パートとヴォーカル・アレンジは、uajaさん。イントロのギター・ソロは珠玉ですね。
それにつけても、タイトルは最後まで思いつかなかった。
[詞]
ただ あなたのそばにいたくて
そっと 手を握ってた
何度も愛し合おうとしたけど
ひとつもうまくできなかったね
なにも持たず
与えられず
なにも認められず ただ生きて
いつまでもいつまでも 空ろなまま
なにも残さず消えてゆくのね
ただ あなたのそばに座って
そっと 肩寄せ合っていた
何度も愛し合おうとしたけど
ひとつもうまくいかなかったね
望まれぬまま
触れあうことなく
求められることもなく ただ過ぎて
あなたとわたしの心の証が
なにも残らず消えゆく前に
あの子がいいわ 可愛いあの子
さあ おいで さあ おいで
緑のサテンのドレスを着せた
お人形をあげるから
あなたの顔は忘れたけれど
あの日の朝食はとてもおいしかった
この壁のしみは あの朝の
コーンフレークの味がするの
荒野に埋めたあの子たちは
今ごろ天使になっているかしら
あの日のことを歌っているわ
誰も知らない天国の南で
誰も知らないあの日の歌を