東雲色の懐古【東北イタコ】
オレンジの光 眼球に染みる
液晶の画面 輝いて滲む
残酷な時間 涙腺が呻く
アルバムを開き 過ぎた時を覗く
こんな古びたアーティファクト
昇る恒星に投げ込んでしまえたら
あの太陽が昇り切る前に
全ての影を吐き出してしまおう
傷口から零れたのは 血ではなく涙
双眼鏡覗き込めば 生い茂るいばら
曲がった首を定位置に戻す
振り返るのはもう終わりにしよう
赤色に染まる 見慣れた風景
印画紙と比べる 変わり果てた姿
道を遡る 何かが欠けてる
憧れる過去は 輝いていたか
こんな古びたアーティファクト
流れる風が吹き飛ばしてくれたら
あの太陽が昇り切る前に
全ての闇を吐き出してしまおう
傷口から零れたのは 血ではなく想い
足元を覗き込めば見えてくる破滅
曲がった首は回れ右したがる
最後の景色 これで見納めだ
恐怖や痛みより僕を苦しめた
記憶に浸った刃引き抜く
歩き出す痛みより立ち止まるほうが
余程苦しむ事に気づいた
あの太陽が昇り切る前に
全ての悪を吐き出してしまおう
傷口から零れたのは血ではなく未来
怪物より怖いのは血に染まる足跡
曲がってた首はもう前を向いた
東雲色の懐古は終わり
