【桜乃そら】魔女の跡継ぎ【オリジナル】
魔女の跡継ぎ
親は病に倒れて
兄は戦で還らず
死を待つだけの子供に
差し出された手
薬と炎の香り
炉端で淹れたお茶の音
暖かさはまるで篝火のようで
風の凍える日の夜は
貴女の側で眠らせて
柔らかな温もりの火が
過去を癒やしてく
灯火に導かれ
革命の成る暁
不穏な空気は弾け
わたしを灼いた
なぜそんな事を言うの
ずっと助けられて来たでしょう
関係なくなどない
連れて行かないで!
誰が魔女だと叫ぼうと
あの手のひらを覚えてる
熾火のように胸の奥で
今も燃えている
優しい嘘を吐いて
最後まで微笑んで行った
貴女の灰を抱きしめて
天に哭き叫ぶ
飢えも渇きもない国に
どうして貴女は居ないの
望んだ人に火刑にされ
恨まず逝けたの
後を追う事さえも
喜ばないと知っているから
"篝火の魔女"受け継いで
今日も生きていく