バイバイばあば
『バイバイばあば』
褪せたコンクリートの裏 鶏小屋の奥
小川のせせらぎに 溶けてなくなってしまったの？
まるで最初からさ どこにもなかったように
夏の音はどこ吹く風 立ち尽くす僕をくすぐって 笑った
あの空と出会った 幼い僕のように
走り出してみようか？
何を追いかけたのか 思い出せないまま
立ち昇った雲を見上げていた
遠い日の僕たちは
この一瞬が、5年、10年先の
宝物になるなんて
期待もしないまま
ずっと続く地平線の様な
『今日』を歩いていた
どんなに離れて見えなくても
この空の下でなら、「きっと。」
会える気でいた
聴かせたい唄ができて でも叶わないと知って
やっと悲しくなって 流れる。 行くあてもなく世界を回る。
「ママには内緒だよ」と
作ってくれたおやつ
押し花の匂い 歩く癖も
まだほら、思い出せるんだよ
マイペース 餌をねだる野良猫
カーテン、すいか、変わってないな。
このドアの向こう側も
あの日に繋がっていたら
立ち昇った雲を見上げている。
遠く恋しい日のように。
この一瞬も5年、10年先の宝物になるなんて、
やっぱ分かんないけど、
ずっと続く地平線の様な
「今日」を歩くんだ
「じゃあ、またね。」
何度も、大きく
あの雲の上から見えるように手を振った。
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Music : もがなる
Movie & illustration : 八木にれ(@yaginire_san)
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