歌仙
題名の「歌仙」は、唐代の詩人、李白がその詩風から「詩仙」と呼ばれていたところからイメージが浮かんだので……。
李白は大の酒好きで、彼の歌にはお酒を飲みながらひとつ、みたいに吟じたものが結構あります。
とある村で、花を愛でる宴が催されていた。
宴席では、美しい娘が笛を奏でている。
どこからともなく、様子の良い青年が、桃花を一枝たずさえてあらわれた。
そして娘の笛の音に合わせて朗々と歌いながら、舞をひとさし。
娘の奏でる楽と、青年の歌舞があまりに素晴らしいものだったので、宴席はおおいに盛り上がった。
村の長が青年に、
「宴を盛り上げてくれた礼は何がよいか?」
と尋ねると、
「酒を一壷」
という。
そこで酒壷に琥珀色の酒をなみなみと注いで与えると、
それを飲み飲み、いずこかへと去っていった。
人々は、「あれが話に聞く歌仙というものだろうか?」と噂しあった。
きっとどこからか綺麗な音色が聞こえてきて、見てみると村人が楽しそうにしていたので、ついつい釣られてきてしまったのだと思います。
モデルに合わせてお酒好き。