【ゆかりV4穏】ファインダーの向こうに君を見た【イラスト募集】
頭に浮かんだ短編アニメを曲にするイメージで作りました。
水彩画のような感じのイラスト募集中です。
ゆかり穏のウィスパーボイスが優秀すぎて、ほかに何もいらなくなりました。
今後はこうしたショートショートっぽい物語を軸に、最小限の曲構成を追求してみようと思います。
(あらすじ)
どこかの時代、どこかの場所。古びた西欧風の町に住む主人公アイリスは、いつもひとりで空想の世界に浸り込む風変わりな女の子。今日も古いモノクロカメラを手に街を放浪し、スナップショットを撮りにいく。
ふと、彼女がのぞいたファインダーの向こうに見覚えのある人影が映り込んだ気がした。それはまるで、彼女が物心ついた頃にその古びたカメラとくすんだフォトアルバムを譲ってくれ、撮り方を教えてくれ、そのまま街を去った、記憶の中のあの人の背中そのものだった。
ずっと、もう一度会いたかった。まだお礼も言いたかったし、写真のことも、彼女の空想の世界のことも話したかった。
彼女はコートのフードを上げ、その背中の見えた方へ、雨上がりの古びた石畳をひとり駆けてゆくのだった。一握りのフィルムを感光させないよう、日陰を縫いながら、胸を高鳴らせて。
(歌詞)
白と黒に濡れて光る街の隙間
君の背中 雨上がり
銀色に揺れた
ずっとずっと走った
重いカメラ モノクロの記憶と
ポケットのフィルムを
路地裏で巻いた
コートを撫でる陽射し
怯えてフードを上げた
曲がり角 大通り
靴音が耳をくすぐる
ファインダーを覗く
(君のいないレンズ)
(コートとカメラと)
(降りないボタンに添えた)
(涙と白い指)
私は振り返る
陽だまりが灯る
雲と鳥が染まる空
どこまでも濡れる
シャッターを鳴らす