灯 -inst-
BPM140
夜爛漫 キラキラの繁華街
肩組み合い 酔いどれの男たち
尻目に歩く私は独り
確信犯 忌々しい人混み
肩ぶつかり 睨みつけるカップル
知らぬ顔 振り返らず道を行く
水滴を肩に感じて
見上げれば ほら看板の群れ
時代遅れ ネオンサインが
手招きする 奥へ奥へ
止めろ止めろ止めろと
願ってみても 届くはずなく
虚しい手がただ空を切るだけで
見るな見るな見るなと
思っていても
私が見れば見返されるのが常
離れようこんなところは
店提灯 チラチラと目障りだ
目を塞ぐ その指の隙間から
漏れ出した 明かりが愚者（ムシ）を誘う
偽商品 痛々しいエンブレム
自己顕示 嘘に嘘を重ねて
その口も 最早ただのお飾り
街外れはもう暗闇で
隠れている怪物 逃げきれない
どうもがいても無駄だと悟る
その中に一つ灯を見た
掴め掴め掴めと手を伸ばしても
所詮遠く離れた距離
それでも諦めてない
走れ走れ走れと奮起しても
遅いのは知っている
たどり着いたのは
常夜灯の下 一人
時折の点滅
むしろ見つかりやすいはず
だけれどここは
独りの私を受け入れてる
分かれ分かれ分かれと念じていても
果たして相手は分かりやしない
無駄だよ それでも
届け届け届けと祈り続ける
怖いのは孤独じゃなく
理解されないこと
だからほら
届いてくれ
