禍蛇渦蛇
「禍蛇渦蛇」
畳の下 ここで覘くのは淵
息も絶えて聞こえずに
もどかしく荼毘 心地よくなる
蛇の目 縛り付けてあげる
妬み草に濡れて 愁いて焦す
それで潤した禍の頚
葬 もっともっと 暴く
添う もっともっと 曝し
化けの皮剥がれたら
潰れた折鶴
殻だけにし全て抜いて
乾した腕
何もいらない
でもひとつだけ
この子だけ あの木に成って
幽冥が手招いた
畳の下 ここで無口に哂う
かたかたとかたかた哂う
黒猫が横切った襖
いざないの木目がぎょろりと
陰を残す柳が
ずっと観ていた柳が燃える
葬 もっともっと 暴く
添う もっともっと 撫でて
さよなら
化けの皮剥がれたら
潰れた折鶴
殻だけにし全て抜いて
乾した腕
何もいらない
でもひとつだけ
この子だけ あの木に成って
辿り逝くなら渦を巻く地の果てが良い
捕らえ連れて
辿り逝くなら渦を巻く地の果てが良い
道連れて