ここにしずくもの:唄なし
「ここにしずくもの」
裂けて熟したの 切り刻む柘榴
果汁は醜く とても鮮やかでした
頭をよぎるの それは花言葉
愚かしいなんて 最初から知っていて
ざわめく心臓 分解できないから
傷跡を撫でて そうして自分自身を欺く
すべてはまやかし 隣同士でも
硝子が隔てて 個々に沈くもの
心を落として 探して 捜して
意味さえそのまま 忘れてしまえば
無邪気な暗闇 唇に触れて
体温を奪う 陰霖に濡れそぼる
さよなら じゃあねと 小さく つぶやき
嘘を重ね塗り まだ溺れてる
夢なら醒めてよ 着地もできない
不思議な憂鬱 悲劇の虜
恋は不純物 溶けない 解けない
冷たい永遠 誓いの末路
すべてはまやかし 隣同士でも
硝子が隔てて 個々に沈くもの