キョムさん

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kyomu0921

好きなPは梨本PとかジミーサムPとか。
なんだろ、ロック系が好き。

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イチオシ作品

徒夢

 ――夢。  それはまるで綿菓子のように、ふわふわしていて、甘くて、温かくて、美味しそうで。  見ている内に欲しがって、食べてみたら美味しくて、満足して。  でも途中で飽きてきて、それでも無理して食べてみて、食べ終わったら虚しくて。  手に残ったのはわずか一本の割り箸だった。  ――現実。  なんとなく始めてみたソレを褒められたのは何時の頃だったか。  覚えているのは褒められたことが嬉しかったことと、もっと頑張ってみようと思ったこと。  頑張って、また褒められて、更に頑張って……繰り返し、気付いたらソレのことばかりを考えるようになっていた。  ソレにしか目を向けなくて、耳を傾けなくて、手で触らなくて、口で発っしなくて、意識を傾けなくて。  ソレが夢だということに、その時初めて気が付いた。  ソレが全てで、ソレしかなかった。  始めは小さな流れだった。  その先に行きたくて、辿りつきたくて、ゆっくりと、しかし力強く、確かな足取りで、前へ前へと進んで行った。  転びそうになったこともあった。  挫けそうになったこともあった。  流されそうになったこともあった。  その度に夢見た。  未だ見ぬ先を。  この先も続くであろう夢を。  振り返らず、立ち止まらず、無我夢中に進む内に、広いところに着いた。  そこには僕と同じようにソレをしている人が沢山いた。  沢山いて見分けがつかない程だった。  いろんなやり方でそれをしている人がいた。  それまで小さな世界に籠っていた僕の中で何かが軋む音がした。  沢山の人を周りに見ながら、僕はそれでも夢を見た。  必死だった。  負けたくなかった。  進み方は違えど、皆目指している先は同じだった。  その内、ぽつぽつと何人かの人がいなくなった。  進む速度が違う人がいることに気がついた。  何かが軋んだ。  それでも諦めなかった。  前を行く人に追いつこうと、縋り付こうとした。  けれど、僕が追いつくより早くその人達は前に進んで行った。  軋む音が聞こえた。  それでもまだ追いつけると、前に進んだ。  夢だけを見て、夢に魅せられて。  気付けば、前に進む人は見えなくなっていた。  もう、誤魔化しようがなかった。  必死に目を逸らしていた軋みが限界を迎える。  崩れていく。  夢が。  崩れていく。  僕が。  諦めたくなかったのに、だから目を逸らしたのに、耳を塞いだのに、手を伸ばさなかったのに、口を閉じたのに、意識しなかったのに。  あれだけ容易に見えていた夢は、もう見えなくなった。  急に苦しくなった。怖くなった。寒くなった。  あれだけ輝きを発していた夢が見えなくなった途端に、僕は独りになってしまった。  沼のようにそれらが僕の体に纏わりついて、離れなくて、引きづり込もうとしてきた。  それもいいか。  何もかもがどうでもよくなった。  もう終わり。  ここで。  ここまでで。  沈む。  沈む。  沈夢。  その中に小さな流れを見つけた。  小さな流れが様々な方向に枝分かれしていることに気付いた。  伸ばせば、手が届きそうだった。  僕の足は知らぬ間に一つの流れに向かっていた。  抜ける。  沼だと思っていたそこから顔を出した。  眩しさに目を細めた。  輝きは小さい。  けれど確かな鼓動を、息吹を僕は聞いた。  そこで初めて振り返る。  僕の来た道を。  僕のこれまでを。  振り返り、思い出す。  今だけ、浸ろう。  思い出に。  苦楽を共にした、あの夢に。  そして告げる。  さようなら。  僕は道を変え、また歩きだす。  だけど少し疲れたから、  また新しい日々が、  新しい道が、  僕を前に進ませるから、  優しく包むこの光のなかで、  今だけは、  ――おやすみ。

多くの人が夢を見て、その内叶えられるのは何割なんだろうね。
投稿日時 : 2011/11/24 07:10

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