ミトさん

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イチオシ作品

とあるメイコの禁酒目録

「青汁コーヒー、ここに爆誕」 「え?なに?」 白い湯気が周りで遊んでいる一杯のコーヒーカップ。 カイトの前に差し出された液体は、一見では温かいコーヒーが出されたように見える。しかし注意深く観察すると、色は黒にいくらかの緑が混ぜられ、ほんのり香るそれはコーヒーと野菜の青臭さが同時に嗅覚を刺激する。 誰も朝食に付けて飲もうとはとても思えない、もとい、飲もうとはとても思えない「液体」だった。 「なにって、淹れ方の事?ちゃんと焙煎よ」 「いやそうじゃないよね。どう考えてもネーミングの事聞いてるよね僕」 メイコはゆらゆらと踊る湯気を見た。 「青汁コーヒー」 「そうそれ!何なのこれは。コーヒーに青汁混ぜたの?」 湯気が顔をかすめそうになる度、虫を払うように体を反って手で薙ぐ。カイトもメイコもそれは同じ。 「えっ――――ほ、ほんとだ!コーヒーに青汁が!」 「わざとですよね?って言うか最初にどや顔で命名だったよね?ルギアより厄介な爆誕だけど、なんでこんなことしたの?」 メイコは「だって…」と顔をしかめ、悲愴な顔をした。普段見ることのない、突然の真剣で悲しげな表情に、冗談交じりながらカイトの顔も曇り始める。 コーヒーに青汁を淹れると言う異常な行為、もしかしたらメイコがどこか故障したのではないかと、不安さえ覚えてくるのだった。 先ほどから、メイコは下を向いたまま沈黙を破らない。 「メイ、、、」 カイトが口を開きかけると、 「私が禁酒して辛い思いをしてるのにあんたたちだけ普段通りの生活を送らせるわけには行かないでしょう」 「…」 普段のメイコだった。悲愴な顔のままで今のセリフを吐く辺りも、普段のメイコだった。 カイトは理不尽だとかそういう事より先に、一抹の不安を抱えた自分をばからしく思い、一抹の安心を抱えた自分を阿呆らしく思う。 「だから飲めや」 「え」 低くドスの効いた声に驚くと、口角が上がりきったメイコの顔が近くにあった。左手でカイトの肩に手を回し、さりげなく右手はコーヒー(?)の取っ手に伸ばされる。 「カ・イ・ト。あーんして☆」 「やめてやめてやめてやめて」 問答無用にカップはカイトの口の前まで運ばれた。メイコ右手を必死に押さえつけ、加えてこぼれないように腕を制止させる。 目の前の香りがカイトの顔を襲い、口に含みたくないと言う欲求が腕の力を手助けした。 「わざわざさぁ、誰が淹れたんだっけ、これ。それが分かれば選択肢は一つしかないわねぇ。でしょ?」 「はははメイコ、クールに行こう。今君は冷静じゃない、まず持っているそのカップをテーブルに置いあああこぼれるこぼれるこぼれる」 「お口と体、どっちを火傷したいのかしら。早くしないとこぼれちゃうわよ。ほら」 「ぅあっちぃ!こぼれてる!もうこぼれてるよ姉さん!こぼれてるなう!」 「ねぇ。何やってんの、二人とも」 コーヒーカップとカイトとの距離が数センチに迫ったところ、二人の押し問答に制止の声をかけたのは当事者ではなかった。黄色の髪と短パンが良く似合う、眠気眼の少年がいつの間にか開けられた扉の前にぼうっと立っていた。 「って言うか変な臭いするんだけど。なにこれ、コーヒー?」 「レン、メイコ、メイコ止めて」 カイトはレンへの目配せすら許されず、カップとにらみ合いながら声だけを張る。さながら地獄へ落ちた者が蜘蛛の糸を掴まんとする必死さ。 「あらレン、おはよう」 メイコのどこかぎこちない笑顔に困惑しながらも、レンは「お、おはよう」と、寝起きながら精一杯の対応。 よく事態が掴めていないレンだが、どうやら弱肉強食が行われているということだけは一目で理解できる。 今にでも悲鳴をあげかねないカイトに苦し紛れにでも間を持たせる行動を、と思う。 「メイコさん、カイト兄さんがなんかしたの?」 「なんもしてないわよ。だから腹立つんじゃないの」 「、、、どゆこと」 レンはいくつか返答を考えようとはしたが、それをする必要もなく。中途登場の彼に場を持たせる事は難しかった。 「説明しよう!」 そこに、先ほどよりやや早口のカイトが再び声を上げた。わからないなりに、レンには彼が何故だか哀れに映る。 「メイコ禁酒してるんだよ、だから、自分だけ辛い思いするのは嫌だって。あと火傷なう!」 「うわぁ、なにそれ怖い。理不尽」 レンは震えるカイトの腕を目にし、カイトと液体が文字通り熱いキスを交わすのは時間の問題に見えた。正義感を人並みに持つレンが、目の前の弱いものを守ろうと考えるのは当然だった。 狂気しているように見えるメイコへ恐る恐る、上ずった声で言う。 「メ、メイコさん禁酒はいいけどさ、やつ当たりはやめようよ。周りに迷惑というか、なんというか。カイト兄さんは何も悪くないし、見てて可哀想だよ」 良く言ったと一人の歓喜が聞こえてきそうだが、しかし、レンもまた人並みに自分が可愛いく、たった一言でその勇気は砕かれる。 「そうね。ちゃんとレンの分もあるわよ」 ピシリと音をたて、綺麗に真っ二つ。レンはまっすぐ見ていたカイトへの視線を、ゆっくりと右上の天井の染みへ向けた。 「ええと。あ、そうだ、ヒゲ剃ってない。ヒゲそってないや。剃って来なきゃ」 「いや生えてないよ!レンはまだ14才のピチピチだよ!レン君ったら嘘下手なんだから!ちょっと行かないで!」 レンはカイトに背を向け、鳴っていない口笛を吹きながら早々に扉を閉めた。刹那の静けさの後、カイトの目の前には変わらぬメイコの笑顔。 「さ。レッツドリンク☆」 「わああああ!レン!レン!!れえええええええええええええええええええええええええええんあっつっ!!!火傷なう!!」 ――なうっ、と言う意味不明な叫び声が遠くから聞こえた、と言う気のせいをレンは感じる。何か心が痛いのは昨日食べすぎたバナナのせいにした。 ふらふらと歩いて、とりあえず用もない洗面所へ向かう。 そのふらふらの足取りの前から、おそらくレンが一番聞きなれた声。 「レンおはよ。あれ、部屋戻るの?」 「あぁ、うん。ヒゲ、剃りに」 姉弟の相も変わらぬ爽やかな笑顔にレンは少し解放された気分になり、肩をなで下ろす。 「ひげぇ?つるっつるだけど。寝ぼけてる?」 ペタペタとあごを触られる小さな手からは、確かにジョリと言った擬音は聞こえてこない。自分で触られている反対側の頬を触れ、レンはため息交じりにそりゃそうだ、と呟く。 「リン、今そっち行かないほうがいいよ」 「へ?なんで?」 レンは少し悩んだ後、 「なんて言うか、十万三千本の酒ビンがやばい事に」 「は…?」 姉弟に朝の挨拶代わりの、わかりにくい忠告を交わした。 その後カイト、その他数名の犠牲者を出したが、メイコの「禁酒飽きた」宣言により、ボーカロイドの全滅は免れたのだった。

普段飲んでいるコーヒーに婆ちゃんの青汁を分けてもらい実際に作って飲んでみました。
美味しかったです☆(棒読み)



しかし三人称を書くと思い知らされる。自分は一人称の書き手なんだと。
なんか説明的で見苦しく申し訳ないです。


後、一番最後のリンとの絡みは物語的に要らないと思いますが、十万…の一言がかきたかっただけです。すいません。

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投稿日時 : 2011/03/30 01:01

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