タグ「悪ノ召使」のついた投稿作品一覧(112)
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第三章 緑の国の女王
「ミク、また手紙が届いているわ。本当にモテモテね、あんたって。」
緑の国の女王、ミクに対して遠慮のない言葉を放ちながら緑の国の謁見室に現れた人物はネルという。明るい金髪をサイドテールにした髪型が特徴である彼女は、ミク女王に向かって半ば放り投げるようにして手にした手紙をミクに...悪ノ娘 小説版 (VOCALOID楽曲二次創作) ⑦
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第二章 魔術師ルカ パート3
少し表情を暗くしたルカが再びリンの前に現れたのは翌日の午後であった。
一度リン女王陛下に黄の国を襲っている飢饉の状況についてご忠告申し上げないといけない。
そう考えたルカではあるが、さて、どのように伝えるものかと思案していると、リンの方から呼び出しを受けたので...悪ノ娘 小説版 (VOCALOID楽曲二次創作) ⑥
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第二章 魔術師ルカ パート2
「ルカ様!」
ルカがガクポを連れて王宮に到達すると、出迎えに来ていたレンが大きく手を振りながら笑顔を見せた。
相変わらず、元気みたいね。
ルカはそう考えながらレンに対して軽く手を振り返し、こう答えた。
「久しぶりね、レン。調子はどう?」
「上々です。相変わら...悪ノ娘 小説版 (VOCALOID楽曲二次創作) ⑤
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第二章 魔術師ルカ パート1
農耕技術が発達していないこの時代、農作業は天候との戦いであり、運任せであり、神頼みであった。平年通りの気候に恵まれればそれなりの収穫が見込めるが、気候の変動があった時、この時代の農業は果てしなく弱かったのである。昨年の黄の国を襲った乾燥はまず地方の農村経済を直撃した。...悪ノ娘 小説版 (VOCALOID楽曲二次創作) ④
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第一章 黄の国の暴君 パート2
剣の訓練を終えたレンは汗に汚れた訓練着を脱ぐと、普段召使として使用している、少年の身には少し威厳がありすぎる執事服に着替えを済ませた。時刻を見る。
「ああ、もうこんな時間だ。」
時計の針は午後二時半。そろそろリンのおやつの時間だった。一日で唯一の楽しみの時間であ...悪ノ娘 小説版 (VOCALOID楽曲二次創作) ③
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第一章 黄の国の暴君 パート1
「レン!遅いわ!もうおやつの時間だわ!」
その言葉が王宮内に響いたのは午後三時、春先のうららかな一日の言葉であった。特に物珍しい光景でもない。場所はミルドガルド大陸西端に存在する黄の国の王宮。声を上げたのは黄の国で昨年即位したばかりのリン女王陛下であった。輝くよ...悪ノ娘 小説版 (VOCALOID楽曲二次創作) ②
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プロローグ
それは夜。
月明かりすらない新月の夜、静まり返った帳の中で、一人の男が不安そうな表情で腕を組み、苛立ったように軽く足踏みをしていた。まだか、と思いながら固く閉じられた扉を眺める。もう何度目になるか分からない行為である。視線を送ったところで開くものでもないとは分かっているのだが、それで...悪の娘 小説版 (VOCALOID楽曲二次創作)