自由を手に入れたいが為に私は羽を手に入れ、鳥になりました。
でも、鳥になった私は羽の代わりに腕をなくしました。


最初は、自由に飛べるようになったと喜びました。
けれども、腕をなくした私の心は悲しみで溢れました。

腕がない私は、大好きな貴方を抱きしめることが出来ないからです。
貴方には寄り添うことしか出来ません。
手を繋いで歩く事も、腕を組んで貴方に甘える事を出来なくなりました。


でも貴方は言いました。

君は僕を抱きしめることが出来なくなったけど、君は僕を包むことが出来るようになった。
君のその真っ白な羽で、僕を包んではくれないのかい?

そう、貴方は言いました。


それから幾年か過ぎた頃、貴方はついに息絶えました。


老衰でした。

私も同じくらい年を取りました。
でも、鳥になった私は何故か貴方と共に逝くことが出来ませんでした。


貴方はもういない。
けど私はもう、なきません。

亡骸になったあなたを、包む義務があるからです。

貴方を抱きしめていた腕をなくした代わりに、手に入れた羽。
その羽で貴方を包むことが出来るようになった。
だからいつまでも、包み続けましょう。

この羽が、私にある限り―――

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

鳥になった少女

少女は何を思って鳥になったのだろうか……。


腕を取るか、羽を取るか。
 選べるのはどちらか一つ――


――

近々イラストをうpする予定。
元のアイディアとしては、鳥の羽と人の手が相同器官であるということから。

……自分じゃイラストで世界観を表せないから困る(´・ω・)
いつかこれをテーマにした曲を作りたいなー…。とぼやいてみる。

閲覧数:78

投稿日:2010/12/28 14:56:37

文字数:518文字

カテゴリ:その他

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