Memo 1926, Leeds (メモリーズ 1926)
「燃焼した後の、『高温』・『高圧』の排気ガスを機体の後方に勢いよく噴射させて
其の反作用の力でこの機体を動かすことが出来るのです。」
「何を分けの分からないことを言っているんだねぇ。君は ?
冗談も休み休みにしたまえ。」
「いいえ、冗談でも分けの分からないことでも在りません。」
「そうか、何時も新しいことに熱心に取り組む君の熱い情熱は理解しているけど
この機体はどういった発動機で飛ぶのかな ?」
「はい、『噴進式発動機』 と私は考えて見ましたけど、いかがなものでしょうか ?」
彼らの机の上に当時としてはとても珍しい奇妙な一枚の、プロペラの装着されていない
不思議なデザインの飛行機が描かれていました。
「?! 如何してプロペラが装備されていないのに、この飛行機は飛ぶことが出来るのかね ?」
「いいえ、この機体に搭載した発動機の 『高温』・『高圧』 の排気ガスだけで飛ぶことが可能なはずですっ !!」
其の若人は自信有り気に胸を張って答えました。
「・・・・・ なぁ、どうょこれ・・・・・」
「そうですねぇ・・・・・私達凡人には一寸理解し難いですねぇ。」
「君は何かね ? SF小説や未来小説が好きだそうだけど、一寸被れ過ぎじゃないの ?」
先輩達らしき人達は余りにも突飛な発言をする若い彼のことを笑い飛ばしていた模様です。
時代は昭和、元年 (1926) のとあるお話です。
Memo 1926, Leeds (メモリーズ 1926)
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