男「ご馳走様」

母「あらもう部屋に上がるの?」

男「勉強したいからな」

母「あらそうなの?」

男「……勉強しちゃ悪いかよ」

母「いや、そういう訳じゃないのよ。ただ、意外だなと」

男「じゃあ部屋戻るから」

      *

ガチャ。

女「男君、遅いよ!!」

男「……ッ!?」

女「ほら、そんなとこ突っ立ってないで!! 女のここ、空いてますよっ?」

ガチャ。

女「あ、何でしめるの!!」

男「ついに俺は幻覚を見るようになってしまったか」

女「幻覚じゃないよ、私だよ、私!!」

ガチャ。

女「あ、入って来た」

男「何でお前が我が物顔で俺のベッドで寝てるんだよ」

女「ベッドは寝るところだよ」

男「真面目に答えないとつまみ出すぞ」

女「あのですね。わたくし、今日TSUTAYAで新作ホラーを借りましてですね」

男「それで?」

女「どうせなら男君と二人で見ようと思いまして」

男「だから俺の部屋に潜り込んだと」

女「惜しい!! 男君が怖がるのを楽しもうと思って、先に一人で見たら……」

男「怖くなった、と」

女「うん……。一人で寝れないなぁって思ってここに来ました!!」

男「……帰るんだろうな?」

女「枕とパジャマ持参です!!」

男「今日は勉強したいから無理だ」

女「静かにしてるから」

男「気が散るんだよ」

女「私のことは抱き枕と思って構わないから!! 抱き枕かぁ、うふふ//」

男「あのなぁ……」

女「男君は私と勉強、どっちが大事なのっ」

男「勉強」

女「勉強はいつでも出来る!! けどパジャマ姿の女は今日しかいないんだよ」

男「勉強しようっていうモチベーションも今日しか起きん」

女「じゃあ1時間だけ私にチャンスを!!」

男「……しょうがないな」

女「やった!! ところで男君」

男「何だよ」

女「男君はセクシーとキュートどっちが好き?」

男「知らん」

女「その答え次第で今日のパジャマが決まるから」

男「じゃあその中間」

女「裸ってこと//?」

男「どうしてそうなった」

女「じゃあこっちにしよ。男君、こっちの方が好きそうだし」

男「なら初めから聞く意味あったか?」

女「じゃあ、着替えるからあっち向いてて」

男「はいはい」

女「見ちゃダメだよ//」

男「勉強してるんだから見やしねーよ」

女「……時々は振り向いてね//」

男「どっちだよ」

女「今、まさに脱ごうとしております」

男「実況するな」

女「注文多いなぁ、全く。うんしょっ」

男「……」

女「よいしょ、うんしょ」

男「お前は声を出さずに着替えられないのか」

女「よし、完了!!」

男「……」

女「もう見ても大丈夫だよ」

男「勉強中って言ってるだろ」

女「女心が分かってないなぁ、男君は」

男「俺は追い出してもいいんだぞ」

女「むー……」

俺「……いいんじゃねーの」

女「//」



1時間後。

男「よし、こんなもんかな」

女「終わったの?」

男「思ったより早く済んだな」

女「私ちゃんと静かにしてたでしょ?」

男「そういえばそうだな」

女「じゃあ遊ぼっ」

男「遊ぶって何してだよ」

女「私で遊んじゃう//?」

男「お前の頭はそんなことしか考えられんのか」

女「いやあ、それほどでも//」

男「褒めてねぇよ」

女「じゃあぷよぷよしよ、ぷよぷよ」

男「微妙」

女「じゃあ、トランプ!!」

男「すぐ飽きるだろ」

女「えー、じゃあもうすることないよー」

男「お前、DVD借りたんだろ」

女「え、あれ怖いからやだ」

男「二回目は平気だろ」

女「そ、そうかなぁ。じゃあ見るね」



女「男君の馬鹿ぁ!! 怖かったよ!!」

男「面白かったな」

女「うー……何で男君、ホラー系に強いの?」

男「普通だろ。じゃあそろそろ寝るぞ」

女「恥ずかしいから電気は消して//」

男「言われなくても消すに決まってんだろ、寝るんだから」

カチッ。

女「暗い……」

男「夜だからな」

女「何か面白い話してよ、男君」

男「そうだな……。じゃあこの前あった金縛りの話でもしてやろうか」

女「いじわる」

男「でも何で怖い映画なんか借りたんだよ」

女「くっつけるチャンスかなって」

男「自業自得、だな」

女「でもまぁ結果オーライだね」

男「何がだ」

女「こうしてくっつくことが出来たんだから//」

男「おい離れろ」

女「やーだ」

男「あのなぁ……」

女「男君、私、男君になら何されても構わないよ//」

男「明日朝早いから寝るわ、おやすみ」

女「えぇ、寝ちゃうの!!」

男「……」

女「怖くて寝れないよ……」

5分後。

女「すぴー……」

男「やっと寝たか……」

男「何が怖くて寝れないよーだ。すぐに寝やがって」

男「……さ、勉強の続きすっか。スタンド付けてっと……」

1時間後……。

男「もう今日はやめとくかな」

女「男君……むにゃむにゃ……勉強頑張れ……」

男「……寝言か。ったく人の気もしらないで気持ち良さそうに寝やがって」

女「……すぴー」

男「……もう少し、やるかな」

Fin

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【SS】 7 夜二人

ツンデレ男とひたむき女のほんわかストーリー第7話。

閲覧数:28

投稿日:2010/10/14 06:38:00

文字数:2,205文字

カテゴリ:その他

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