君はよく知らない
それはその目で見てないから

貴方はよく知らない
それはその耳で聞いてないから

あの日

一瞬で消えてしまった街の灯りを
すべてを飲み込むけたたましい轟音を
引き裂かれた母子の絆を
助けを求める心の叫びを

彼はよく知らない
それはその目をふさいだから

彼女はよく知らない
それはその耳をふさいだから

あの日

奪われてしまった少女の恋を
夢をあきらめた少年の決意を
闇に怯える赤子の声を
止むことの無い命の叫びを

僕はよく知らない
それは自分を守っていたから
僕はよく知らない
それは傷が癒えてきたから

今も

故郷を失い帰れない人が
孤独に怯え涙する人が
共にあの日を迎える

だから

僅かでいい
ほんの少しでいい

せめて今日だけは

目を閉じて