聞かせてよ、僕は心を読めないから。
答えてよ、そうでないと分からないじゃない。
あなたの瞳の奥にそそり立つ、若木が広げる緑手は、
人・物・自然・動物、そして物語。色んな光を一身に受けて、
今日も煌びやかに蒼空を揺らす。
ちょっと疲れたから、その若木に身を寄せて、
ちょっとだけでいいから、休ませて欲しい。
あなたに身を寄せ聞こえる歌は、
僕の心を癒すには充分で、
僕の涙を拭う様に、澄んだ空気に満ちていく。
もっと聞かせてよ、疲れた顔が笑顔に変わるから。
もっと歌ってよ、涙を枯れるまで出し尽くしたいから。
ずっと此処に居たいけど、
僕には鍛えるべき剣、育てるべき花、紡ぐ子ども達、
そして歌い続けなきゃいけない音楽があるから、
僕には僕の、戦場があるから・・・そろそろ行かなくちゃ。
・・・でも、また来るね。
そしてまた聞かせて、あなたの声を。
今度は僕も、あなたを育てる光の一つになれる様に、
何もかもを磨いておくよ。
光のタクトで
風のバイオリンが響き
草花のトランペットが鳴り
小鳥のフルートが歌いだす。
大地を疾走して打つ動物達のティンパニ
穏やかに流れる清流はハープ
荘厳ではないけれど、胸を奮わし続けるオーケストラ
僕も僕だけの楽器で、共に奏でてみよう。
あなたに負けない様な歌を歌おう。
求めるは、あなたの声。
理想の声。羨望の声。希望の声。
求めるは、僕だけの、声。
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