『影の表』


私は何をしてるんだろう。
　　　　　　　　　　一体ここで何を。

私は何をしたいんだろう。
　　　　　　　　　　一体ここで何を。

　　何処へ行きたいんだろう。


果てしなく暗い水底に
深く深く沈められた錯覚
落ちた悪夢

　　　　　　　　底なし沼に落ちる寸前
　　　　　　　　　　　　　　　見えない光
　　　　　　　　　　　　　目の前の悪夢

入れない壁
　　　　　入れられた籠

　　　　　　　　　　　破れない殻
　　　　　　　　　　　　　　　割れた硝子


　　私は何をしてるんだろう。


ふと消えてしまった蝋燭－－灯火

　湿った心　　降った雨

乾かない水たまり
　行ってしまった　夕焼け

変わらない景色
　　　　　　　　　　　　変わっていく季節

　求める地図　　　　　探した世界

わからない行き道
　　　　　　　　　　目指した目的地

　　見失ったモノ
　　　見つけた葛藤

　　　　切れた糸
　　　　　　　　　　　　結んだ紐


　　　　　　　　　わからない。
　　　　　　　　何もかもが。


破裂しそうな風船
　　　　　　　　　　　　　張り詰めた空気

　　　冷たい風
　　　　　　　　　　　　冷たい指


　　　　　　温まらない。


　　　　　　夜明けの空
　　　　　飛び去った鳥

　　　　　　　　　　乾いた空
　　　　　　　通り過ぎた時間

　　　　戻らないモノ
　　捨てた先

　　　　　　　　　　　落とした憧れ
　　　　　　　　　拾った現実

　使い古された手帳
　　　　　　　　　　　昔の手紙

　　　暗闇の旋律
心地よい悪夢

　　　　　　　　　　　　　　　醒めた先
　　　　　　　　　　　　　　　　乾いた土

月と表
　裏と太陽

　　　　　　　　　　表裏一体の心理


　　　　　　　私は進む。

　　　　　　　　　　　　　　　　　何処へ？


道の先
　朝焼けの街

　　　　　白い息
　　　　　　　　　赤い街

　　　　　　　　　　　　　　　凍えた手
　　　　　　　　　　　　　　　　　　暖かな瞳

　　　　柔らかな笑顔
　　　　　　　　　　知った優しさ


　　何処へ行きたかったんだろう。

目をそらしてた。


　　　　　　　　　　光の道
　　　　　　　　　　　　　誘惑の闇


　　　　　　　　負けない。

　　前に進むときめたのだから。