あの頃　並んで見えたその背丈も
いつの間にか追い越した

冷えていく夏の匂いと
伸びていく影が笑って
魔法にかけられた

君はそっと切り過ぎた前髪を
恥ずかしそうに梳かしながら
はにかんでみせた

呼吸も忘れて
流れる時間に逆らって
僕の瞳に焼き付けた
夜空のグラデーション
変わっていく世界の中で
線香花火が照らした横顔

気付けば過ぎていく今日も
見ないフリで
君への言葉を探した

見えない夏の魔物が
明日を拒んで笑った
魔法のせいだって

君はちょっと　
伸びてきた前髪で
隠すように逸らしながら
はにかんでみせた

夜空を見上げて
流れる星を探したって
君への言葉は見つからない
心のグラデーション
揺らいでいる世界の中で
ぶつかる視線が語った夜のこと

呼吸も忘れて
流れる時間に逆らって
君の瞳を見つめている
魔法のせいにして
止まない心が騒いで
言葉を見つけたんだ

季節のグラデーション
変わっていく世界の中で
夏が終わる
魔法は解けないままで