淡いきいろの声がきらめいて散る
月になれなかった欠片達
蝶々の夢すらなれない僕
翼からおしろいが落ちる
色あせた黄が惨然に積もっている
月が綺麗ですね?
月が遠いです。
袖無しのワンピース
眩しいあなたを、月明かりが照らし
こっちを見て笑う
夏夜の香りが鼻先をくすぐった
僕は光の行き先を知らない
地獄の扉のすき間から零れる光に向かって飛び込んでいる
盲目な僕の目には
灯と 灯と
あなただけ、
あなただけが映る
どっかで燃えるようなにおいがする
盗み見したつぼみのような眠り
僕を一度も見てくれたことのない眼球
その後ろ姿
目が合った時の笑顔
その笑顔を愛していた
恋を、していた
どっかで燃えるようなにおいがする
夏夜の音が鼻に付いた
地獄のような熱帯夜がつづく
どうかこんなわたしのねがいをきいてくれたら
こっちをみて
おねがい
僕は最後にあなたに纏わり付いて体液をしゃぶる。
残り、枯れた花と蛾の死体。
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