踊るように　迷うように
宛先　行き先　作らずに
甘い香り　混ざる酸味
ひとさじ　落として　アプリコットティー
長い髪も　淡い色も
つま先　指先　飾るのも
今は秘密　教えないの
後味　消えてく　アプリコットティー

右と　左と　前と　後ろ
いつも　迷子のティースプーン
寝ても　醒めても　ここに　残る
苦い　失恋の味

いつまでも　まだ消えないの
あなたには　もう会えないの
クセのない　味気ない　アプリコットティーでは　勝てないの
かすかな湯気の先　見慣れた景色


街灯ひとつ　影もひとつ
日陰に　咲いてる　花ひとつ
甘いだけの　個性もない
わたしと　揃いの　アプリコットティー

揺れる　揺られる　心　水面（みなも）
いつも　迷子のティースプーン
息を　するたび　ちくり　痛む
苦い　失恋の味

悲しくて　でも笑うのは
言いたいこと　また仕舞うのは
退屈で　ありきたり　アプリコットティーだと　知ったから
いまでも秘密なの

いつまでも　まだ消さないの
あなたには　もう会わないの
クセのない　変わらない　アプリコットティー　まだ揺れたまま
かすかな湯気の先　甘くて苦い