あ な た の 音 を 聴 か せ て よ
ふと目を覚ました彼女に彼は歌を教えた
自分じゃこの歌を完成させることはできない
彼はそれを知っていたから
彼女は言うのだった
ただ歌うだけならあなたにもできる
そうなれば私の価値って?
あなたの想いのこもった歌だもん
何一つ無駄にはしたくないの
だってそうでしょ?
あなたがくれた歌は あなたの意志そのものなんだから
だから聴かせて
あなたの歌を
あなたの声で
そして私に歌わせて
私があなたの声になるから
彼女はそっと差し出した手を彼の額に当てた
静寂が漂う
わけもわからぬまま彼は彼女の顔を見る
真剣な表情を崩さない彼女は何かを探っているようにも見える
何をしてるんだい?
返事はない
再びの静寂が訪れる
だがこの間 彼に静寂は存在しなかった
彼にとっては聴きなれたメロディー
それが彼を取り巻く音となって繰り返し繰り返し頭の中を駆け巡る
そう そこは軽快に だがけっして目立ってはいけない あくまで自然にだ
日々積み重ねてきたイメージが今一つになった
至福の時間が彼を包む
君にも伝わるかな 僕の幸せが
彼女は笑っていた
とってもいい歌ね 私があなたの声になるから
あなたの音は間違いなくここにあるからね
彼はにこっと微笑み返すとまた目を閉じるのだった
2010年一発目の投稿になります。
とうとう新年始って1月になりましたね。ちまたではお正月だと騒ぎに騒いでおりますが
そんなの自分には何の関係もありません。よって正月要素は一切無しですww
まぁたまにはこんな年もあってもいいんじゃないでしょうか と自分を納得させておくことにします。
ということでこんな自分ですが今年もまたよろしくお願いしますmm
とんだ茶番に付き合っていただき本当にありがとうございました^^w
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