僕は主人公にはならない

乾いた胸を辿る
色落ちた枯れた声は
耳を塞ぐ日々を取り零して

甘えた口が零す
冷たい白い息が
蒸発するように宙に消えた


項垂れる回答にも
視線逸らさず真っ直ぐな
君の瞳は僕の後ろを見てた

磨かれた爪も牙も
君を傷つけてしまうから
まだ手を握れないままで
また今日を閉じ込めた

【drop】
不安定だけどそれが僕だって
揺れる魂。なんで？　認めてほしいだって
マニュアル通りの人生なんて
今日で終わりを迎えたみたいだ


欠伸ひとつ零す涙　軌跡を描く
飾った標本の　君は今も綺麗なままで
変わらない姿いつだって　僕の罪を見せつけるようだ
歪んでる視界まだきっと　僕は泣いてやなんかないだろ

（間奏）

紅く染まった顔は　小さな手隠しきれない
思い出したのはなんだっけ
夢で手探り探して　君の顔も忘れてしまう

【drop】
騒ぎだす君の声を遮って
庇う僕の言葉は　君に届かないようだ
昂る感情は　喉震わせ
叫んだ記憶は残った

未完成だけど僕らいつだって
理想を追いかけて　つまづいたって
マニュアル通りの運命なんて
踏み潰して走り出すのさ