滲んだ ぼくの愛情を
夜の快音を きみに「はい、どうぞ」
壊えた雑草の萼 掻い添うと
告げた回想を手繰り寄せていた

這って這った体の　　　　　　　　　　　　　　軋んだ ぼくの愛憎も
両足不足の根を　　　　　　　　　　　　　　　六の多足の きみには、どうも
維管束伝いの手の　　　　　　　　　　　　　　飢えた害虫の ずれた大宇宙の
狂い咲く妖花の音を ずっと　　　　　　　　　 失せた白昼を思い巡らせていた


愛して 会して 害しては 大して　　　　　　　 きみは蝶 ぼくは花 毒される？ 食される？
何してたいと知れないで死ねないとして　　　　恐ろしく 美しく 厭わしく 愛おしく
どうして？ どうして？ 解したいと欲して　　　きみはきみ ぼくはぼく ふたりから ひとつへと
どうかして 同化して そうしてぼくらは　　　　どうとなれ 汝の果て ぼくになり きみとなる


きみの端子 蓋し ふたりして　　　　　　　　　塞いだ きみのファスナー
奥の気管支にファンシー 満たしたら　　　　　 互い吐いた 音が溶けあえないで
息を吸って、上擦って、噦いては排他　　　　　尖った 咎めあった
根づき泥んだぼくらは　　　　　　　　　　　　違う差異だ ただぼくらの他我

閉ざした 綴じあわせた　　　　　　　　　　　 きみの両手 開いて 抱いて
紡ぎあった 音が除けあいながら　　　　　　　 ぼくに添うて 結んで 繋いでも
歪んだ 傷痛んだ　　　　　　　　　　　　　　 意味を乞うて、詛うて、囲っては淘汰
また他害だ ただぼくらの違い目　　　　　　　 綺い淀んだぼくらの違い芽



きみの味 イマジン 項に　　　　　　　　　　　ぼくは きみじゃないと
ぼくと同じシナジー 嘰れば　　　　　　　　　 違いあうと わかりあいたくないから
きみを喰って、抉って、吐っては排他　　　　　ぼくら ずっと何度
類い倦んだぼくらは　　　　　　　　　　　　　まだ互いと 混ざりあいたくて


きみの端子 蓋し ふたりして　　　　　　　　　塞いだ きみのファスナー
奥の気管支にファンシー 満たしたら　　　　　 互い吐いた 音が溶けあえないで
息を吸って、上擦って、噦いては排他　　　　　尖った 咎めあった
根づき泥んだぼくらは　　　　　　　　　　　　違う差異だ ただぼくらの他我

閉ざした 綴じあわせた　　　　　　　　　　　 きみの両手 開いて 抱いて
紡ぎあった 音が除けあいながら　　　　　　　 ぼくに添うて 結んで 繋いでも
歪んだ 傷痛んだ　　　　　　　　　　　　　　 意味を乞うて、詛うて、囲っては淘汰
また他害だ ただぼくらの違い目　　　　　　　 綺い淀んだぼくらの違い芽


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　このままだね