憂き世に縋って / 初音ミク

思いがけずに降り出した雨
巡る考えにもう飽き飽きだ
水溜りに映るのは誰だっけ
そうだ僕は人間(ひと)が嫌いだった

心音も包帯の傷も塵芥
でも縋って縋って　最善を願っていたいだけだ
大層立派な物語(ストーリー)でも幾星霜
ただ迷って転んでいたいよ好きなだけ

雲の切れ間に吹き込んだ風
憂き世に縋るはまだ粉屑か
噓にもいつかは終わりがくる
だから僕は人間が嫌いだった

本心も懐疑も盲信も塵芥
でも縋って狂って　耳を塞いでいたいだけだ
最底辺だってのたれ死んだらそれまでだ
ほら縋って嫌っていたいよ好き勝手

あーあ　嫌になっちゃった哀も藍も
けど人を演じるのも慣れてきた
ガラスに映る惨めな僕は
半透明で空っぽだけど

傲慢さ僕も君も塵芥
でも縋った縋った　最低を救って欲しいだけだ
嫌った人間の全てを確かめては
僕ら縋って繋いで明日に向かわなくちゃ

心音も後悔の声も聞き飽きたから　
縋って縋って　最善を願っていたいだけど
最底辺だってのたれ死んだらそれまでだ
まだ迷って転んで痛いよ好きなだけ
ただ掴んで縋っていたいよ塵芥