冬ノ葉

春にかけ　季節の香りを　感じさせ
夏にかけ　空にその身を　映えさせて
秋にかけ　山の景色の　色を変え
冬にかけ　残った命　ただ揺れる

あぁ
その命も　今落ちて
ひらりひらり　風に舞う
儚いながらに　その命
次の季節の　ためになれ

母の根は　数多の恵みを　葉に与え
青き葉は　木漏れ日揺らす　風を生む
秋風は　行くべき場所を　皆に告げ
終の葉は　先行く友を　見届けた

あぁ
その命も　今落ちて
ひらりひらり　土の上
寂しい想いは　少しだけ
今は眠って　春を待て

あぁ
その命も　土に消え
深く深く　夢の中
冷たい大地が　目覚めたら
春の歌を　歌いましょう



ふゆのは

はるにかけ　きせつのかおりを　かんじさせ
なつにかけ　そらにそのみを　はえさせて
あきにかけ　やまのけしきの　いろをかえ
ふゆにかけ　のこったいのち　ただゆれる

あぁ
そのいのちも　いまおちて
ひらりひらり　かぜにまう
はかないながらに　そのいのち
つぎのきせつの　ためになれ

ははのねは　あまたのめぐみを　はにあたえ
あおきはは　こもれびゆらす　かぜをうむ
あきかぜは　ゆくべきばしょを　みなにつげ
ついのはは　さきゆくともを　みとどけた

あぁ
そのいのちも　いまおちて
ひらりひらり　つちのうえ
さみしいおもいは　すこしだけ
いまはねむって　はるをまて

あぁ
そのいのちも　つちにきえ
ふかくふかく　ゆめのなか
つめたいだいちが　めざめたら
はるのうたを　うたいましょう