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そばにいるのが当たり前だった。
ずっとそうだと思っていた。
だけどキミ達は突然消えてしまった。
一切れの紙。
さよなら、の一言。
味のない日々。
刺激のない日々。
大好きな歌さえも、日毎につまらなくなる。
願い、祈ればキミの声は聞こえていた。
目を閉じればキミの見るものが見えていた。
でも何故?
今はぜんぜん聞こえない、届かない。
街中で、あいつと仲良しの黒い彼を見かけた。
捕まえて、問い詰めたけど
『知りません』と冷たく言い返された。
彼を探して街を彷徨う。
青いマフラーとコート、黄色の髪とセーラー服、紫の長い髪と着物。
人間達と違うのに、なんでこんなに見つからないの?
緑のショートの女の子は紫の彼の妹。
彼女を捕まえたけれども、彼女も『妙な放浪癖をもつお兄様、何処へ行ったんだろうね?』…だって。
いなくなった原因を探したけれど…見つからない。
ボーカロイドであるわたしは寒さなんてあってないものだけど。
…だけど、寒いよ。とても、寒いよ。
寒いのは体なの?ココロなの?
それも、ちゃんと判断できない。
何が原因なの?
何が悪かったの?
わたしたち、何か悪いことした?
夕暮れの中で、彼が可愛がっていた小さな子供達とロボットの女の子がいた。
『心当たりない?』
『わかんない。』
『遊びに来た?』
『こないだ黄色いお姉ちゃんときたでしょ?』
…ああ、もう全然解らない。
何処へ行ったのだろう?
今何をしているのだろう?
今何処を歩いているのだろう?
どんな歌を歌っているのだろう?
お願い、答えて。
何処にいてもいい。
一緒に住んでなくてもいい。
居場所だけは教えて欲しい。
毎日会いにいくから。
元気な顔を見にいくから。
だから…姿を見せて。
優しい笑顔。
元気な声。
精悍な姿。
わたしたちは今日も町を彷徨う。
勿論…君達の姿を見つけるその日まで。
*** *** *** ***
…駄文失礼しました。
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