アウトフォーカス
アウトフォーカス
何かが足らない
安いフィルムの色した夏
ひたすら青い空
気づいてしまった「僕は一人だ」
深い青に染まり切れたのなら
どれだけ良かったのだろうか
五月蝿すぎた蝉の声にかき消されて
溶けてしまいそうな程
君を待っていた
ぼやけて消えそうな陽炎(うそ)に
まだ縋っていた
繰り返す情景
吹き返す共鳴
ただ、あの日の夏に眩んでいた
響く雨に打たれ癒えたのなら
どれだけ良かったのだろうか
写し込んだ夏の日々に
惑わされて
重ね合うから乱反射して
何気なくめくる1ページが
限りあると分かっていながら
今、
溶けてしまいそうな程
君を待っていた
ぼやけて消えそうな陽炎(うそ)に
まだ縋っていた
繰り返す情景
吹き返す共鳴
ただ焼き付けて
忘れられないくらい
シミになっていた
焦がれて消えそうな嘘は
アウトフォーカスと
振り返る光景
塗り替える透明
ただ、あの日の夏に茹っていた
コメント0
関連動画0
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想