走り屋達は残酷だ・・・。

彼らは自分の快感を求めるべく、相棒となるクルマを買う。
そして、自らの手でその相棒を仕上げ、世界でただ一つしかない、自分だけのクルマに乗り、夜の街へと繰り出す。

そして・・・、相棒の限界を試すべく、走り屋達は全開で、公道という名の終わりがない灰色絨毯の上を駆け抜ける・・・。

限界までチャレンジしていると、必ず相棒の悲鳴が聞こえてくる・・・。
それがシフトの音か、サスの軋みか、はたまたエンジンの甲高いサウンドかは知らないが・・・。


「もうダメです!! 止めてください!!」
「限界です!! これ以上は走れません!!」


などと・・・。


なのに、走り屋達は、自分の心のモヤモヤを満たすべくアクセルを踏み続ける・・・。

すると、必ずしも相棒は・・・そう。
自分の最高のパートナーは死ぬ・・・。

何故悲鳴が聞こえていたのにアクセルを抜かない?
何故相棒を助けようとしない?

そして、走り屋達は、死んでしまった自分の相棒のボンネットをひらく・・・。

・・・なんてこった!!

黒ずんだ相棒の心臓からは黒煙が立ち上り、下を覗けばオイルが垂れている・・・。

(・・・こんなになるまで走らせていた俺が、バカだった・・・。)

誰もがそう思う。

後悔をする。


なのに走り屋達は、相棒をかえてもまた同じように、最速の限界にチャレンジする。

何故・・・?


走り屋は残酷である。
だが、その残酷を乗り越えてこそ、自分のクルマとの間に、見えない友情関係が築き上がるのかもしれない・・・。

死んでいってしまった相棒達のことさえ忘れなければ・・・。



                             ...fin

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  • 非営利目的に限ります

【走り屋】

書きたくなって書いたまでです。

特に深い意味はありません。

閲覧数:134

投稿日:2009/01/17 02:45:10

文字数:735文字

カテゴリ:その他

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