光に惑い、影に隠れる臆病者
怯えて逃れるために
この身はあるのだろうか

彼方 飛ぶ雲雀（ひばり）の声
羨んで苛立つくらいなら
もう、蛇蝎（だかつ）となろうと
構うものか


ああ、青空に羽ばたこう
光喰らう我が身でも
誰の目に意味など無い
高く、高く、
高く高く高く高く高く飛ぼう

日の下（もと）、己を示すために
この身はあるのだろう


夜に躊躇い、闇に隠れる臆病者
隠れて終わるために
この身はあるのだろうか

小夜鳴鳥（さよなきどり）への
心配など烏滸がましさも甚だしい
きっと、言われているのだろう
「大丈夫」だと



月明かりにさえ、怖れる心
「私は、ここに在って良いのか」
果てのない自問自答
答えは出ているにも関わらず

胸いっぱいに息を吸い、
憚（はばか）ることなく高く鳴く

狩られることなど恐れるものか



ああ、青空に羽ばたこう
光喰らい輝く身体
誰の目も攫って
高く、高く、
高く高く高く高く高く飛ぼう


日の下（もと）、己を誇るために
この身はあるのだろう


日の下、憚ることなく
己を生きよう




【ひらがな】

ひかりにまどい、
かげに かくれる おくびょうもの
おびえて のがれるために
このみは あるのだろうか

かなた とぶ ひばりの こえ
うらやんで いらだつくらいなら
もう、だかつとなろうと
かまうものか


ああ、あおぞらに はばたこう
ひかり くらう わがみでも
だれのめに いみなどない
たかく、たかく、
たかく たかく たかく たかく たかく
とぼう

ひのもと、おのれを しめすために
このみは あるのだろう


よるに ためらい、
やみに かくれる おくびょうもの
かくれて おわるために
このみは あるのだろうか

さよなきどりへの しんぱいなど
おこがましさも はなはだしい
きっと、いわれているのだろう
「だいじょうぶ」だと



つきあかりにさえ、おそれる こころ
「わたしは、ここにあっていいのか」
はてのない じもんじとう
こたえは でているにも かかわらず

むね いっぱいに いきをすい、
はばかることなく たかく なく

かられることなど おそれるものか



ああ、あおぞらに はばたこう
ひかり くらい かがやく からだ
だれのめも さらって
たかく、たかく、
たかく たかく たかく たかく たかく
とぼう


ひのもと、おのれを ほこるために
このみは あるのだろう


ひのもと、はばかることなく
おのれを いきよう