(四月上・下)
三珠結衣√
…始業式。
春眠暁を覚えずとは、まさにこの事だ。
春休み直前までのあの寒波はどこへいったのやら。などとくだらないことを考えつつ、僕、言詠 空(ことよみ うつほ)は、高校最後の年が始まるのだと感じていた。
~街17~ 結衣の通常テーマ
結衣「空くん、おはよう!」
空「あぁ、おはよう」
彼女は去年からの同級生。三珠 結衣(みたま ゆい)
成績優秀で勉強もでき、更に美人。(と言う噂を、よく聞く)
あいにく、僕は同級生の美人女子なんてモノには興味がない。
学校へ行くのも、親から言われて仕方なく、という偏屈な理由のみで、恋愛や青春なんてモノにもさっぱり興味が湧かなかった。
だから僕には、彼女と話す理由もなければ、たった今彼女から僕に挨拶をした理由さえ分からなかった。
結衣「空くん、どうしたの? 今日も元気がないけど…」
空「『今日も』と付けるって事は、今までも僕の様子を見ていたって解釈でOK?」
……しまった。
今の言葉では、ナルシストのように聞こえるじゃないか。一生の不覚。
「……っ!」
街17ここまで+~足音01~
彼女は、俯きながら行ってしまった。
…………?
……ひょっとして、なにか地雷でも踏んだか?
まぁ、いいや。どうせ教室に行けば、嫌でも顔を合わせることになる。
それに彼女は……。
いや、こんなところで自己思案したって、ただ面倒くさいだけだ。
さっさと学校に行こう。
~チャイム03~
式の最中でも、彼女はずっと俯いていた。
そんなにヤバいこと言ったか?
別に紳士的な思考を持っているわけではない僕だが、流石に同級生の女子に気に障るようなことを言ってしまったのなら、謝らなければ。じゃないと、後々面倒なことになりかねん。
授業中に呼び出してしまったら、男子生徒からの視線が痛いので、放課後に謝りに行くことにしよう。
~チャイム03~
~ピアノ09~
「起立!礼!」
さよならの挨拶と共に、クラスの半数以上の生徒は教室から出て行った。
三珠さんの姿は……あった。
カバンの中に荷物を押し込んでいる三珠さん。
「あの、三珠さん」
「丘に来てっ!」
短い言葉を吐くと、三珠さんはカバンを抱いて出て行ってしまった。
そんな、痴漢に襲われた時みたいな感じで逃げて行かなくても……。
それにしても、丘…?
……あぁ、そういえば、この学園の敷地内に小高い丘があった。
たしか、丘の上にイチョウの木が一本立ってるんだよな…。
まぁ、『来て』と言われたので、行ってみましょうかね?
~ピアノ09ここまで~
……あ、いたいた。
とりあえず手を振ってみる
「三珠さーん」
あ、振り返してる。
「遅いです!」
「いや、ゴメンゴメン」
と、なんとも心がこもっていない謝罪をした後、質問してみた。
「で、なんで僕はここに呼ばれたんでしょう?」
こちらが三珠さんを呼び出すなら、おかしくはないだろう。
『ひょっとしたら、何か悪いことを言ってしまったかも知れない』という申し訳なさから起こす行動だからだ。
ところがどっこい、逆に呼び出されてしまった。
Why何故?
「あのね、空くん。あの、お願いが…」
お願い。なんで僕に?
というか、どんなお願いなんでしょうか?
「お願いって?」
そう問うと、彼女から予想外の言葉が返ってきた。
「私と、付き合って下さい!」
結衣√四月・上
結衣ルートの四月上旬。
BGM・効果音は、魔王魂様HPからお借りします。http://maoudamashii.jokersounds.com/
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