母「最近女ちゃん来ないわね」

男「あいつもあいつで忙しいんじゃないか?」

母「あんたに愛想尽かして他の男の人見つけたんじゃないかしら?」

男「……」

母「女ちゃん、いかにもモテそうだしね」

男「あのな……」

母「冗談よ」

男「つまらない冗談言わないでくれよ」

母「でもこの前道で会った時、酷く疲れた顔してたわよ?」

男「……ちょっと様子見に行ってくるか」

               *

男「女?」

女「ふえっ……お、男君!?」

男「入るぞ?」

女「だ、ダメ!!」

男「は?」

女「絶対絶対、ぜーったい入っちゃだめ!!」

男「何か理由でもあるのか?」

女「い、今片づけしてるからっ」

男「ふーん……」

女「だから、今日は……」

男「じゃあ何で声が震えてるんだ?」

女「そ、そんなことないよっ」

男「……入るぞ」

女「あぁ、だめっ!!」

ガチャ。

男「……ホントに散らかってるな」

女「……お恥ずかしい」

男「何か探し物でもしてたのか?」

女「……!! も、模様替えだよ、模様替え!!」

男「お前は本当に嘘が下手だな」

女「でへへ//」

男「褒めてねーよ。で、何で泣いてるんだ?」

女「……うえーん男君っ!!」

男「ちょ……おま、くっつくな」

女「ごめんなさいっ!!」

男「ちゃんと言ってくれないと分かんねーよ」

女「……った」

男「は……?」

女「指輪なくしちゃった……」

男「……それだけか?」

女「それだけ……? 重罪だよ!!」

男「別に指輪ぐらいどうでもいいじゃねーか」

女「どうでもいい!? 私が命と男君の次に大事にしてるものだったんだよ!!」

男「でも一生懸命探してくれたんだろ?」

女「うん……友達も探してくれたんだけど」

男「……お前、いい友達持ってんな」

女「皆、可愛いし優しいんだよ」

男「ったく……2週間も来ないから何があったかと思えば」

女「それだけ大事にしてたんだよっ」

男「……お前に何かあったかと思って心配したじゃねーか」

女「ふえ……?」

男「指輪ならまた買いに行けるけどお前は一人しかいないんだから」

女「……もしや、男君の偽物っ!?」

男「おいっ」

女「私大事にされてるんだ//」

男「じゃあ見に行くか?」

女「何を?」

男「指輪だよ、指輪」

女「え、でも……、もしかしたら出てくるかもしれないし……」

男「じゃあもう少し待ってみるか」

女「うん。それに……」

男「それに、なんだよ?」

女「もしかしたら男君が近いうちに結婚指輪買ってくれるかも//」

男「……」

女「ふえっ……否定しないってことは!?」

男「呆れてただけだ」

女「でもホントにどこ行ったんだろう……」

男「お前が物なくすのも珍しいな」

女「指輪何て肌身離さず付けてたのに……」

男「新しい指輪買ってもらいたいからなくしたとかないよな?」

女「そ、そんなことするわけないじゃん!!」

男「……友達が盗んだとか」

女「冗談でも怒るよっ!!」

男「この前長野に行った時に失くしたとか」

女「んー……長野だったらもうないだろうし……」

男「諦めるしかないな」

女「ふえーん、ごめんなさい……」

男「別にいいって言ってるだろ」

女「でも男君から会いに来てくれる何て嬉しいな//」

男「……うるさいのがいないと静かでな」

女「たまには素直に私のこと好きって言ってくれないのっ?」

男「……」

女「ほらまた黙るっ!!」

男「……お前なら分かるだろ」

女「分かんないよっ」

男「俺はそういう浮いた言葉言うのが恥ずかしいんだって」

女「そう言えば前に聞いたような……」

男「……ごめんな」

女「……じゃあワガママ1つだけ、いい?」

男「内容にもよる」

女「今、一回だけ私のこと好きって言って?」

男「……」

女「信じてない訳じゃないよ? でもたまに凄く不安になっちゃうの」

男「……女」

女「……はい」

男「……だ」

女「……私も、だよ」

                 *

女「皆おはよっ」

友「女おはよ。何かご機嫌じゃない?」

女「えへへーそう見える?」

友「さては指輪でも見つかった?」

女「指輪は見つからなかったよ……」

友「そっかぁ……」

女「でも、それよりいい物もらっちゃった//」

Fin

          *

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【SS】 13 指輪

ツンデレ男とひたむき女のほんわか話の第13話。
突然顔を見せに来なくなった女を不審に思った男は……?

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投稿日:2010/11/11 06:42:53

文字数:1,865文字

カテゴリ:その他

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