朧徒桜

shibainuwanko

草木萌ゆ喜びに映す　夢の夢また夢
ちはやぶる　神代もきかず　さざめく竜田川
春風に酔いしれ目覚める　朝ぼらけ見るまで
あおによし　平城に咲く花と　霞む有明月

往きて　見ればあなたの　姿なく
ひとり　亡くしたことのはを求む
かつて　通った　道に　惑いて　
ふと振り向けば　しづこころなく　花の散るらむ

風にひらりひらり舞う花を
眺むるだけの我が身は
昔も今も　変わらずにあなたを待つ

頬を打ちて打ちて舞う花は
私を責める如く
あなたへの思いに
壊れゆく我が心　処す如く